【イナGO】好きって伝えられない【空野葵×神童拓人】 (ページ4)

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私は円堂監督に対して、苦笑いを溢しつつも内心では少し落ち込んでいた。
そっか、他校が来るんじゃ私なんかと話している時間なんて無くなっちゃうや…

ただでさえあまり話さないのに、他校のチームが来たら神童先輩はそういう人たちとも話したりするだろうから、話す機会なんてそうそうない。
最初に聞いた時は嬉しかったんだけどな…

それから少しして合宿の説明が終わり、私たちはグラウンドに向かった。
向かっている途中、誰かに肩を叩かれて振り向くとそこにいたのは神童先輩だった。

途端に私の心臓がドッドッドッと速く動き出し、触られた肩に熱が集中していく。
心臓の音が耳元でなっているような感覚になるほど、私は緊張しているのだと分かる。

私のすぐ近くに先輩がいて、肩を触られただけなのに凄く緊張していて、でもどこか嬉しい気持ちもあった。
普段はあまり話しかけられないから、なれてないのかもしれない。

私は戸惑いながら何の用かを聞いた。
神童先輩が静かに口を開けて言う言葉を待った。

「さっき霧野と話して、合宿で使うものを明日買いに行くんだが空野も一緒に来てくれないか？
ちょうど日曜で部活も休みだし、用事とかがなければ一緒に行こう

一応狩屋も行くことになっているんだが…」

「もちろん行かせてもらいます！
私、合宿で何を持っていっていいのかわからなかったので」

私は神童先輩の誘いを受け、一緒に行かせてもらうことにした。
神童先輩と霧野先輩で行くなら多分断ってたけど、狩屋も来るなら行っても大丈夫だと判断した。

神童先輩は明日の集合場所と時間を言って、霧野先輩のところに向かった。
私は神童先輩から誘ってくれた嬉しさで、口元がニヤけてしまう。

グラウンドに着くと、天馬にニヤついていることを指摘され何でもないと口元を隠しながら言った。
天馬に不思議な顔をされたので、心を落ち着かせるように他のことを考えながらマネージャーの仕事を始めた。

明日は何を着て行こうか、遅れないように早めに寝ようか、といつの間にか明日のことを考えてしまった。
神童先輩と二人きりってわけじゃないけど、一緒にいられるのと神童先輩に誘ってもらえたのが何よりも嬉しかった。