ふわり。２ ページ2
「だぁ・・・っ！」
がさがさ、
木の服を踏んづけながら、急げ急げと、頭の中で自分を叱る。
こんな時じゃなかったら、この木の服たちも愛おしんだけどな。
今は、邪魔でしかない。
昔、よくこの山で、幼馴染と遊んでた。
この町は、昔からド田舎で。
外で遊ぼう者なら、それはそれは、学校の知り合いによく出会ってしまう。
２人きりで遊びたいのに、出会ってしまえばそれは叶わない。
その現状に不満が募り、
とうとう、誰にも知られない、出会わない、
２人だけの空間を、
２人で見つけ、作り出した。
それが、この山だ。
ここは、居心地がよくって。
遊び場兼待ち合わせ場所、となっているこのひみつ基地は、
大人になった今でも、使っている。
「はぁ、・・はぁっ・・、
・・とっ・・、ちょっ・・と・・・っ」
学生の間、ずっと一緒だった俺ら。
だけど、大人になれば、
当り前に「ずっと一緒」は出来なくて。
会う時間が減って、悲しくて。
手紙だけで、声も姿も見れなくて。
「大人」になって７年経った今でさえ、
すごく、寂しい、と思う。
けれど、
２か月に一回。
会う約束をしている。
今日は、その２か月に１回の日なわけで。
「はぁ・・、っと。」
早く、あの高い声が聴きたい
早く、あの猫背を見たい
早く、早く、はやく。
「・・っ、・・」
すぅ・・・はぁ・・・、
「・・・にのちゃん、
久しぶり」
はやく。
「・・・・・もう。
寒いんですけど・・・、相葉さん。」
「・・・ふふ、」
その、天邪鬼の言葉が聴きたくて。
いつも、俺は、
全速力で走るんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にじいろえんぴつ | 作成日時：2014年2月14日 15時
