5話 マネージャー ページ6
A「凛…」
誰に向けるでもなく1人でその名を口にする。
A「…って何言ってんだ俺」
…はぁ。と深いため息をつくと同時に屋上のドアがガチャリと音をたてて開かれる。
「はぁ…」
茶髪の可愛らしい…見たことのある女の子がため息をつきながら歩いてくる。
A「穂乃果…ちゃん?」
穂乃果「え…A君?」
A「…」
つい目を逸らしてしまう。
穂乃果「…」
A「ため息ついてたけど…なんかあったの?」
目は合わせないように下を向いたまま問いかける。
穂乃果「実は海未ちゃんに…」
…どうやら廃校を阻止するためにスクールアイドルをやろうということになったが海未ちゃんに猛反対されてしまったらしい。
ていうか入学して早々に廃校って…
A「そっか…。確かに海未ちゃんならそう言うかもね」
穂乃果「えへへ…。いい考えだと思ったんだけどなぁ…」ハァ〜
A「でも…穂乃果ちゃんたちならホントになんとかしちゃいそうだな…」
穂乃果「そのためにはまず海未ちゃんを説得しないと…」
A「壁は厚いね…」
穂乃果「ホントだよ〜…」
A「まあ、頑張ってよ」
そう告げて屋上から出て行こうとする俺の腕を掴んで引き止める穂乃果ちゃん。
穂乃果「あ、あの…」
A「…」
穂乃果「もし、スクールアイドルを始められたら…その時はマネージャーやってくれないかな…なんて」
A「ごめん…」
穂乃果「あはは…。だよね…」
A「ライブとかは…行けたら行くよ…」
穂乃果「うん…。ありがとう!」ニコッ
まともに穂乃果ちゃんの顔も見ることが出来ないまま屋上を後にする。
「愛してるばんざ〜い」
ふと、どこからか綺麗な歌声が聞こえてきて、声のする方へ歩を進めると音楽室へ辿り着いた。
A「あれは…同じクラスの…」
こいつほど音楽室とピアノが似合う奴がいるのだろうか…。そう思わせるほど綺麗な顔立ち、声で1人歌い続ける少女。
その赤い髪はゆらゆらと歌に合わせて揺れている。
A「…早く帰らないと唯がうるさいな」
何通も送られてきているラインを見ずに削除し、小走りで家へ帰る。
52人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きょう(プロフ) - ガンさん» おつありです!( ´ ▽ ` )ノ 最後まで読んでくださって本当にありがとうございます! もし良ければ次作の方も読んでいただけると嬉しいです(*^^*) (2014年10月8日 11時) (レス) id: c9705de42c (このIDを非表示/違反報告)
ガン - お疲れ様です良い話だと思います (2014年10月6日 23時) (レス) id: 2865fa2611 (このIDを非表示/違反報告)
きょう(プロフ) - 清武鷹師さん» ええ!?読んでくださってありがとうございます!清武さんの小説めっちゃ好きなんです!ありがとうございます!! (2014年10月5日 7時) (レス) id: c9705de42c (このIDを非表示/違反報告)
清武鷹師(プロフ) - すごくおもしろかったです。話の展開もワクワクしました(^^)次作も頑張ってください (2014年10月5日 0時) (レス) id: 4ae3766686 (このIDを非表示/違反報告)
きょう(プロフ) - kikujiroさん» 楽しみだなんてそんな…(≧∇≦) 更新遅めですいません(´・ω・`) (2014年9月29日 6時) (レス) id: c9705de42c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きょう | 作者ホームページ:http://kyou
作成日時:2014年8月11日 16時