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潜書肆・ ページ5

一瞬、相手の動きが停止したが、すぐに坂口を腕を振り払われた。



『離してッ!君ね、出会い頭の人に失礼だとは思わないんですか?!』


「悪いねぇ、俺は堕落しきってんだ。」


堕落という言葉にまた、相手の顔は険しくなった。


坂口は、強まる侵食者の気配を逃したりはしなかった。


もしこのまま戦闘となれば、勝ち目があるかは分からない。まず状況的に一人は無謀だ。


『何で、君が知っているんです。太宰君と・・・織田作さんの事。』


「知ってるんだな。何かあったのか?」


坂口の問いかけに、坂口はその場にガクリと膝から崩れた。


そして、地面に向かい、何かをボソリと零すように呟いていた。


『僕は、殺すつもりじゃ、僕が・・・織田作さんを・・・また三人で、呑みたかった・・・』



殺す・・・?

その不謹慎な言葉に坂口は眉をひそめた。



『僕が、悪い・・・』


次の瞬間、目の前の坂口は糸が切れた様にその場に倒れてしまった。


「おい!アンタ大丈夫か?!」


坂口は驚いて駆け寄り、肩を揺するが反応は無い。


「誰か、近くに人は・・・っ、何だこれ」


ふと、倒れてしまった坂口の手を見ると

手のひらが黒く変色していた。


まるで墨に付けたような色だ。


それは次第に手のひらから浮き出て、一つの塊になった。


「侵食者・・・・」


それは、形を作り、一体の侵食者となった。


依然として、倒れた坂口は意識を手放したままだ。


侵食者は、声にならない声で唸って、唖然とする坂口を見下ろした。


その侵食者の姿は


自責の刃だった。


「ハハっ、アンタは所詮二流だ。


俺が相手してやる。」



坂口は気絶している坂口を隅へ横たわらせて


侵食者にゆっくりと近づき、本からクナイを取り出した。

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作品ジャンル:アニメ
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エリカ - すごく面白かったです!続きを待っています! (2018年3月17日 10時) (レス) id: e5d2f5896d (このIDを非表示/違反報告)
- こういうの探してました!いやぁ、これは鼻血もんですね。更新期待してます。頑張って下さい!! (2018年3月10日 0時) (レス) id: 359f234116 (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ/紅花(プロフ) - 文アルと文ストどちらも好きな私にとっては嬉しすぎて昇天しそうでした…← 出てくる文アルキャラが文ストキャラと同じ名前の人だけじゃなく色々な人が出てくるのですごく面白いです!更新楽しみにしてます( ´∀`) (2018年1月23日 19時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - 面白かったです。すこし気になったのですが、登場人物が侵食者というのは、作者さんのオリジナルでしょうか? この前別の小説で見たことがありまして…。偶然ならいいのですけれど、少し気になりまして…。 (2018年1月20日 18時) (レス) id: 48db98a9a7 (このIDを非表示/違反報告)
苺パフェ - とても面白かったです!ボクは空白のSecretさんのほかの作品からここにきたのですが、どの作品も面白くてすごいです!応援しているので、頑張ってください! (2018年1月20日 13時) (レス) id: 92fa33393a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空白のSecret | 作成日時:2018年1月7日 22時

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