送別会の夜 ページ30
金曜日の夜。
新宿の「Ｍ」のカフェ看板には「本日貸切」と書いてあった。
私が扉を開けようとすると、傍にいた如月が手を伸ばし、さっと開けてくれた。
今夜も如月は私をここまで送って、店までついてきたのだ。
「私はお嬢様についてソウルに行きますので、送別会に同席することは論外なこととは言えません。しかしながら、私はお嬢様に仕えている身ですから、店の隅のほうで送別会を見守りたいと存じます」
「そうなの… じゃあ、そうしてちょうだい」
私はすでに、如月が何を言い出しても驚かなくなっていた。
店内には、静かなジャズが流れていた。
驚いたのは、ジヒョンさんが、白井さんと瀬戸さんと一緒にトリオで演奏してくれていることだった。
雄介「A、待ってたよ。うわ。その髪。ずいぶん思い切ったことしたね。バッサリ切っちゃって。でも、似合ってる！」
「ありがと、雄介」
雄介「さ、ここに座って。明日がソウルに発つ日だっていうのに、直前になってしまって申し訳ない」
雄介が私をエスコートしながら、少し申し訳なさそうな顔でそう言った。
「大丈夫よ。送別会がソウルに行く日の前日だなんて、臨場感たっぷりだもの。準備してくれて、ほんとにありがと、雄介。あ、あと先生も」
ちょうど先生が私のほうに歩いてくるところだった。
先生「やあ、Aさん。あとでもうひとり、駆けつけてくれるから楽しみにしてて欲しいな」
私の送別会に集まってくれたのは、幸田先生と、親友の雄介と恵美、そして、マリさんだった。
あとひとりって、誰だろう。
私は会社務めをしているわけではないし、写真仲間というべき人もおらず、交友関係はほんとに狭かったのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桃子(プロフ) - あゆさん» あゆさん、そうなんですよ、マイページの設定なんですよね。気がついていただけてよかったです。一気読みですか！ありがとうございます〜＼(^o^)／ (2013年8月20日 21時) (
レス) id: 41b589d4a8 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 桃子さん、早々にお返事いただきありがとうございました。マイページの設定があつかましくも(苦笑)18歳未満になっちゃってました。これで全部表示されたので一気読みしま〜っす！ (2013年8月20日 21時) (レス) id: 0782131295 (このIDを非表示/違反報告)
桃子(プロフ) - 私の全作品一覧ページは http://uranai.nosv.org/personal.php?t=momoko01 です。ここから行けないでしょうか？よろしくお願いします。 (2013年8月20日 17時) (レス) id: 41b589d4a8 (このIDを非表示/違反報告)
桃子(プロフ) - あ、１８禁、の間違いでした。もし、あゆさんが１８歳以上でしたら問題ないのですが、そうでない場合は閲覧なさらないようにしてください。よろしくお願いします。 (2013年8月20日 16時) (レス) id: 41b589d4a8 (このIDを非表示/違反報告)
桃子(プロフ) - あゆさん» あゆさん、こんにちは。ごめんなさい、２と３と９以外はR指定なんです。過激なベッドシーンがありますので、１８金フラグが立っているんですよ。私の作品リストのほうから行けませんか？行けないようでしたら、また質問してください。 (2013年8月20日 16時) (レス) id: 41b589d4a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桃子
| 作成日時：2013年8月15日 19時
