初仕事の朝 ページ49
そして翌日。
私は６時半に起きてシャワーを浴びた。
今度こそジーンズを穿き、ニットを着て、髪を後ろで束ね、ほんとに申し訳程度のメイクをした。
早朝からの人物撮影だなんて、なんだかプロのカメラマンになったような錯覚に陥ってしまう。
でも、これが生まれて初めての有名人相手の撮影なのだ。
もう１度撮影機材のチェックをして、煙草を１本だけ、ゆっくりと吸った。
午前７時にソンジュさんが迎えに来てくれて、私は車でジェジュンの住むマンションへと向かった。
朝起きてから寝るまでのジェジュンの姿を撮影する。
夕べ、どういう風に撮影するか、あれこれと考えたけれど、結局まとまらないまま、寝てしまった。
先生の言葉を思い出す。
案ずるより産むがやすし。
そうだよね。
もう、直感でいくしかない。
告白のことは考えないようにした。
とにかく、仕事優先！！
ソンジュさんのあとに続いてマンションのエントランスを入る。
部屋番号を入力して呼び出しボタンを押すと、インターホンから「どうぞー」というジェジュンの声が聞こえた。
眠そうな声ではない。
もうちゃんと起きてたんだ。
２つ目の扉を入って、エレベーターに乗り、最上階へとあがった。
うわあ、さすがスターだな。
ペントハウスに住んでるんだ…
ジェジュンの住む部屋のドアでソンジュさんが再びチャイムを鳴らそうとしたら、それより先にドアがぱっと開いた。
「おはよー A、ヒョン、さあ早く入ってー」
ジェジュンは朝からテンションが高かった。
「おはよう、ジェジュン。じゃあ、俺はこれで帰るから。夜１０時に、またAさんを迎えにくる」
ソンジュさんがそう言ったので、私もジェジュンも「え？」と顔を見合わせた。
撮影に際しては、ソンジュさんが立ち会うことになっていたからだ。
「え？なんで？ヒョン。一緒にいなくちゃいけないでしょ」
「そうですよ。私とジェジュンさんをふたりっきりにさせちゃうんですかっ？」
私たちが抗議すると、ソンジュさんはあっけらかんと
「なに野暮なこと言ってるんですか、Aさん。ジェジュンのこと、よろしく頼むって言いましたよね？」
そう言って、片手をひらひらさせながら背中を向けて帰っていってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 321人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(名前)グラママ(プロフ) - そうなんですね〜。ありがとうございました〜！ (2017年3月5日 17時) (
レス) id: b4b6a0264a (このIDを非表示/違反報告)
hiro(プロフ) - 設定はPCでしたかもですね。R18は読めないことがありますから (2017年3月5日 16時) (レス) id: 009939cc39 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)グラママ(プロフ) - お返事ありがとうございます〜。スマホで読んでます〜PCから設定してみまーす。 (2017年3月5日 16時) (レス) id: b4b6a0264a (このIDを非表示/違反報告)
桃子(プロフ) - hiroさん» 速攻のお返事ありがとうございます！びっくり〜〜 スマホだと「１８歳以上です」の設定ができないことが今ごろわかって焦ってました。よかった(^^) (2017年3月5日 16時) (レス) id: a84791e757 (このIDを非表示/違反報告)
桃子(プロフ) - (名前)グラママさん» ＰＣではなくスマホでお読みでしょうか？スマホだと設定変更ができないので、ＰＣから設定してください。 (2017年3月5日 16時) (レス) id: a84791e757 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桃子
| 作成日時：2013年8月1日 10時
