少しずつ前進？ ページ3
「実は、この間、東京ドームに彼のグループのライブを見に行ったんだ。そしたら、なんかファンになっちゃって…」
「なんだ、早くそれを言いなさいよ。私が訊かなかったら、ずっと黙ってるつもりだった？」
「そういうわけじゃないけど…」
恵美のつっこみに、たじたじとなりながら、私はようやく撮影での出来事を打ち明ける気になった。
恵美にはいずれ全部話すことになるだろうと思ったから。
「うわぁ、そんなことがあったの？私がこの映画の券をもらってきたのって、なんだかすごい偶然だったんだね。もしかしてAとジェジュンって、運命の糸で繋がってるんじゃないのぉ？」
恵美がそんなことを言い出したので、私は焦ってしまった。
「そんなわけないでしょ。私はジェジュンに酷い態度をとっちゃったし、これからソウルに行って非礼の理由の説明をしてこなくちゃならないし、もう前途多難なんだから…」
私がそう言うと、恵美は珍しく眉をひそめた。
「Aらしくないね。前途多難だなんて。たしかに、Aは礼二の事件の後遺症でジェジュンに最悪な態度をとってしまったんだろうけど、正直に話して謝罪すれば大丈夫じゃないの？」
礼二というのは、例の最低最悪のモトカレの名前だ。
私は封印していたその名前を久しぶりに聞いたのに、以前のように情緒不安定にならない自分に気が付いた。
「あ、ごめん。やつの名前はご法度だったね。A、大丈夫？ほんとにごめん！」
恵美が慌てて謝った。
「ううん、謝らないでよ。私、今その名前聞いても平気だったから自分で驚いちゃった。時間って、いいもんだね。心の傷が少しずつ癒えていたんだなって思った。嫌な記憶が全部きれいさっぱり消えるわけじゃないけど、だんだん思い出さないようになっていくんだよね。人間って、うまいことできてる。だから前に進めるんだなって思うよ」
私がそう言うと、恵美は思い切り微笑んで、私の手をぎゅっと握った。
「そうそう。それでなくちゃ。Aのいいところは、そういう前向きなところなんだからね」
恵美の言葉が胸にぐっとくる。
やっぱり同性の親友もいいなって、つくづく思った私だった。
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(名前)グラママ(プロフ) - そうなんですね〜。ありがとうございました〜！ (2017年3月5日 17時) (
レス) id: b4b6a0264a (このIDを非表示/違反報告)
hiro(プロフ) - 設定はPCでしたかもですね。R18は読めないことがありますから (2017年3月5日 16時) (レス) id: 009939cc39 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)グラママ(プロフ) - お返事ありがとうございます〜。スマホで読んでます〜PCから設定してみまーす。 (2017年3月5日 16時) (レス) id: b4b6a0264a (このIDを非表示/違反報告)
桃子(プロフ) - hiroさん» 速攻のお返事ありがとうございます！びっくり〜〜 スマホだと「１８歳以上です」の設定ができないことが今ごろわかって焦ってました。よかった(^^) (2017年3月5日 16時) (レス) id: a84791e757 (このIDを非表示/違反報告)
桃子(プロフ) - (名前)グラママさん» ＰＣではなくスマホでお読みでしょうか？スマホだと設定変更ができないので、ＰＣから設定してください。 (2017年3月5日 16時) (レス) id: a84791e757 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃子
| 作成日時：2013年8月1日 10時
