◎邪道ヒロインですが。

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障害物競争が始まろうとしていた。
蒼弥の他に浮所も出ると聞いていたけど
集められたメンバーの中に
那須がいたのはとても意外だった。
ああいうの嫌がりそうなのに。





網を潜ったりパン食い競走をこなして
最後に借り人競走となった。





みんな一斉に紙を見ると
一目散に走り出した。





みんな何を引いたんだろうな
なんて思っていると
こちらに向かってくる那須。
え、なにこのベタな展開。





「(人1)、付いてきて」





那須に手を引っ張られて
ゴールへ向かうとテープを切った。
1位だ！嬉しい！





『え、ちょっと那須！1位だよ！』
「さあ1位は那須さん(人1)さんペア！引いたお題はなんですか？」





マイクを持った進行役の生徒に
那須がそう投げかけられた。
まさか……好きな人、だったりして？
ってそこまでベタな展開は
期待してないけど……気になる。





「ポニーテールしてる人、です」
「おー！なるほど！(人1)さんポニーテールですもんね、合格です！」





え……ポニーテール？？





完走者はそのまま解散しても良いらしく
喉が渇いたという那須と自販機の元へ来た。





『お題、ポニーテールだったんだね』
「そ、(人1)以外にポニーテールしてる子思いつかなくて」





なんてニコニコしてる那須に
不覚にもドキッとしてしまった。
みんなでお揃いしようってなったから
ポニーテールの女子なんて
めちゃくちゃ多いのに……？？





「一緒に走ってくれてありがと」





今買ったペットボトルを飲み始めた那須の
汗だらけの首元はゴクリと音を鳴らした。





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