◎邪道ヒロインですが。

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「Aさぁ、大学入ってから告白された？」
『……されてない』
「今何年生でしたっけ？」
『……3年も、もうすぐ終わります』
「ついにモテモテ(人1)さんも首位陥落ってわけね」





そう言って蒼弥の視線の先に目をやると
カフェテリアの外の廊下で
男子に囲まれている1人の女の子。
同じ学部で同じ学年の桜井小春ちゃんだ。
ああいうのをヒロインって言うんです。





『小春ちゃんねえ……可愛いもんねえ』





なんて目の前に置かれた日替わりランチを
食べながらボソッと呟いた。
ああいう分かりやすいのが好きなんだろう。
男って、ほんっとに情けない。





「俺はあいつ苦手だけどな。絶対裏あるぞ、ああいうやつ」
『待って、裏があるって私に言ってる？！』
「ちげーだろ、お前の場合もはや本性が表だわ。でもAのせいで女はみんな裏があるもんだって生きてるから楽」
『うっわ〜蒼弥くんこわ〜い』
「……だから1番こえーのはお前だよ」





さっきからやたら失礼なこいつは
唯一私の本性を知っている幼馴染みの蒼弥。
産まれた時から一緒なもんだから
私が猫かぶり始めた時はいじり倒された。
もはや今となってはもう協力的である。





「見た目は普通にAの方がいいと思うけどね。ちゃんとジム通ってスタイルも維持してんだろ？」





真面目な顔をしてそんなことを言ってきた。
いや、なに急に。どうしたこいつ。





『えっ、蒼弥。私のこと褒めてるの？！やだ嬉しくて泣いちゃいそう！』
「ニヤニヤしながら泣きそうとか言ってんじゃねーよ」
『蒼弥も相当猫かぶりだと思うけどね私……』





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