◎邪道ヒロインですが。

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そんな時、私たちの座るテーブルの前に
現れたのは那須だった。
はあ……浮所といい那須といい
とことんタイミングが悪い！





「ゼミの先生からこれ、(人1)に渡しておけって」
『……クッキー？』
「頑張ったご褒美らしい」
『そう……』





那須から渡されたのはピンクと白の
包み紙の施された箱。
あ、これデパートとかに売ってる
私が好きなとこだ、嬉しい。
さすが中島先生、女子の好みを分かってる。





「話し中にごめん。じゃ」
『ううん、わざわざありがと」





そう言うと那須は立ち去った。





「へー、うまそーじゃん。よかったな」
『ね！蒼弥も食べる？』
「うん、じゃあ1個もらうわ」





なんて蒼弥と2人でもぐもぐしていると。
パッと掲示板が目に入った。





『あ、そろそろスポーツ大会の時期か』
「そうじゃん、A出るっしょ？」
『うん、大学って学校行事少ないしなるべく出ておきたいかな』





スポーツ大会といっても
高校生の体育祭とは違ってゆるいもので、
事前の練習があるわけでもないし
普通のリレーや玉入れ、障害物競争とか
競技数が圧倒的に少ない。





そしてスポーツ大会自体の出欠は取るものの
競技自体は自由参加のため、
男子を女子が応援してることの方が多い。





「今年は競技出てみようかな」
『お、いいじゃん！蒼弥と同じ組がいいなー』
「そうだな」





紅組白組に分かれてやるが
それはランダムに振り分けられる。





『まあ組が分かれたとしてもお弁当は一緒に食べようね！』
「ん、最初からそのつもり」





蒼弥はそう言ってニコニコしながら
ランチのトレーを下げに行った。





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