◎邪道ヒロインですが。

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那須も目当てのものを買い終わったところで
ご飯でも食べようという話になった。
そろそろお昼ご飯の時間にもなりそうだし。
フードコートへ向かっていた時
お手洗いが目に入ったので
ご飯食べる前に行くことにした。




『お手洗い行ってきてもいい？』
「いいよ、先行って席取っておこうかと思ったけどはぐれるといけないからここで待ってるわ」
『あ、うん、わかった。ありがとう』





時々のこういう優しさにズルいなあとも思う。
まあ、私なんかに優しく出来るなら
他の女の子はもっと優しくされてるんだろう。
……ってだからなんだって話だけど。





手を洗ってタオルで手を拭きながら
外へ出て那須の元へ向かおうとすると
小春ちゃんと話していた。




小春ちゃんは楽しそうにしているけど
那須は後ろを向いていて
どんな表情なのかは分からない。
楽しそうじゃなければいいなんて思ったのは
私の心の中だけにしておこう。





そんな時、小春ちゃんが私に気付いて
那須に手を振って立ち去った。
気を遣われたというより牽制された気がする。





『おまたせ』
「うん、混んでくるから早く行こ」





そう告げてフードコートへ向かう。
……なんかやっぱりデートっぽくて
むず痒いというかなんというか。





那須との時間がいつの間にか
心地の良いものに変わってきたことには
気付かないフリをした。





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