【魔法使いの嫁】喋れない赤髪と喋れる赤髪

story1 ページ48

エリアス「リンデルからは、竜の抜け殻だね。色々ものづくりに使えるよ」

チセ「(脱皮するんだ…Aもするのかな…?)」

竜の抜け殻が入っている木箱に、長方形の言葉が添えられた包みが入っていた。

チセ「(…Aの字だ)」

エリアス「それ、誰から?」

チセ「Aからみたいです…」

包みを開けてみると、中には緋色の笛が入っていた。

チセ「きれい…」

また言葉が添えられている。

＜私を呼びたい時に吹いて＞

エリアス「笛とは面白いね」

チセ「はい(後で机に置こう)」

他にもセルキーは魚、サイモンさんからは腕時計だった。

エリアス「アンジェリカからは＿ああ、仕事が早いな」

話を聞く限り、どうやらこのまじない紐は魔力を吸ってしまうらしい。

エリアス「うん、いいみたいだ」

チセ「ありがとうございます……(お礼の手紙を書かなくちゃ。あ……魔法、使っちゃだめなんだよね…手紙もだめかな)」


＿私、ほとんど何もできないんだ。たくさんもらってるのに…何も返せてない。


チセ「(＿手紙ならヘーゼルさんに頼めばいい。薬も特別なのじゃなきゃ作れる。庭や畑の手入れもできる)」


体が動くなら、動いてできることならなんでもやろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー
貴方＜チセ、喜んでくれるといいんだけど…＞

チセと別れて私も家に帰ってきていた。暖炉に火を焚いて寝転がっている最中だ。

＜ふあぁ＞と口を開いて欠伸する。

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝとチャイムが鳴った。

玄関に行ってドアを開けるとヘーゼルさんがいた。

ヘーゼル「どうも、赤い竜のお嬢さん。竜の国の管理人からお届けモンだよ」

貴方＜ありがとうございます＞

判子を押して小包を受けとる。

ヘーゼル「そいじゃ、よいお年を!」

手を振りドアを閉めリビングに戻る。

貴方＜(リンデルさんか……)＞

小包を開けると

貴方＜!＞

中には赤いマフラーが入っていた。
早速首に巻いてみる。

貴方＜モフモフ……温かい＞

顔が綻んでいることにAは気づかなかった。

Forgive and forget.→←Merry Christmas

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す