story6 ページ46
「…セ、チセ、チセ?」
チセ「あ…」
木の蔦で作られた世界は消えていた。
リンデル「ぼうっとしておったようだが大丈夫か?」
チセ「…………。ネヴィンに……会いました」
リンデル「ネヴィンに?」
チセ「…ねぇ、A」
貴方＜?＞
チセ「貴方の声って……どんな声なのかな」
貴方＜さぁね。自分でもどんな声してたか忘れたよ。多少は低くなってる気がするけど＞
チセ「そっか」
リンデルに向き直る。
チセ「リンデルさん、すいません」
リンデル「お?」
チセ「杖と寝床をありがとうございました。…すぐに帰らなければならなくなったので、帰ります。お礼はまた今度させてください」
リンデル「それはいいが…どうしたいきなり」
チセ「……せっかく背中を押してもらったので。がんばってみようかと思って」
目を伏せてはいるが、何かを決めた目にAには映った。
リンデル「＿そうか。ではあの子を呼んでこよう」
チセ「A、ごめん急に。帰ることにしちゃって…」
貴方＜全然構わないよ。それより早く帰ってあげなよ。あのヒトのところに＞
Aが見守ってくれているかのように微笑む。
チセ「(ネヴィンの言った通りだ…)」
チセ「ルツ!」
ルツがチセの鞄と靴を口にくわえ頷き、チセの影に入る。
リンデル「チセ?」
杖を大地に当てる。
どこにでもいける。
全ては繋がっている。
チセ「(なら)」
チセ「お願い。あのヒトのところへ＿繋いで」
妖精「行くノ?飛ぶんダ」
さっき見た火の妖精がチセの元に現れた。
火の妖精「助けてあげル。貸してあげル。飛んでいこウ。世界を巡る火の翼デ!」
チセ「!」
火の鳥は大空へ旅立ち、巣へと帰っていった。
リンデル「……いやはや」
リンデルが尻をつく。
リンデル「大人しい娘と思っていたが、もしかするとクズリかもしれんな」
リンデル「ところでお主、力を貸したな?」
貴方＜バレたか＞
リンデル「あの火の精はさほど力は強くないからの」
Aは肩をすくめて空を見上げ、口先で囁く。
＿無事、あのヒトの元に辿り着きますように。
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梅雨(プロフ) - まんじゅうねこさん» ですよね！！(興奮) (2018年8月28日 21時) (
レス) id: 898f32375a (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ - 分かります！世界観とっても素敵ですよねー！ (2018年8月26日 16時) (レス) id: dd9eae3b3c (このIDを非表示/違反報告)
梅雨(プロフ) - 枝垂桜さん» 応援ありがとうございます!これからも頑張ります!! (2018年8月5日 15時) (レス) id: 898f32375a (このIDを非表示/違反報告)
枝垂桜 - とても面白いです(*^^*)これからも頑張ってください！応援してます！このお話大好きです(*^^*) (2018年8月4日 5時) (レス) id: 05de94b2f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梅雨 | 作成日時：2018年7月23日 22時
