今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:6,821 hit
小｜中｜大
Love me-12 ページ7
ヒュンッ
気づくと私は男の腕の中にいた。先程まで私とこの男が立っていた地面にはナイフが突き刺さっていた。突然の出来事で背筋が凍りつく。
「おや？避けられたか」
ナイフを投げた張本人はボヨヨン，ボヨヨンと首を左右に揺らし，目をギョロギョロと動かしている。そこにいたのはママよりビショップの称号を与えられた始末屋ボビンであった。
「ボビン！どういうことよ！危ないじゃない!!!」
ボビンに向かって吹き矢の筒を突き出したが，シシィによってやんわりと止められた。シシィがフランぺを庇うようにして立ち，ボビンを見据える。
「ふーん，アンタだったか。この城に入ってから…いや，スイートシティの市場にいた時からかな。視線を感じたんだよね〜」
「お前，おれと同じ始末屋だろ？振る舞いや目線でわかる。なにより目がいい塩梅に腐敗している」
「目が腐敗してるってヒドイこと言うね。そんなことより…おれと同じ？何かの冗談でしょ」
「あ゛？」
ボビンのこめかみに青筋が浮かぶ。一方，シシィはシニカルな笑みを浮かべている。二人が醸し出す対照的な雰囲気に，フランぺは不安を感じた。その不安をくみ取ったシシィは手をひらひらとさせ，フランぺにここから離れるように促す。
「アンタみたいなハンプティダンプティがオレ達と同じ？笑わせる！ちなみにオレは始末屋じゃねぇ，請負人だ」
「殺して解体(バラ)して，アプリコッ湖に沈めてやる」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：佐藤塩 | 作成日時：2019年10月26日 20時
