Twinkle amber candy (ページ9)

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ありがとうございました！ページ9

(主人公side)
受けとめるから飛び降りろと言われた。
怖かったけど，その人の目はまっすぐだった。
枝から飛び降りた先は真っ白でモチモチしていた。

『おもち？…あっ，ありがとうございます！えっと…しゃーろっと・かたくり様』

「ああ…それより，手が傷だらけだぞ」

かたくり様に指摘され自分の手を見た。手のひらには小さな傷がたくさんできていた。

『大丈夫です！すぐ治るから』

ニコっと笑顔を返した。あきれた顔をされたのは気のせいだと思う。

「…次は気をつけるんだな。今回は運がよかったと思え」

そう注意され，そっと地面に降ろされる。はーいと返事をすると，かたくり様はくるりと背を向け立ち去ろうとする。

『待って！…ください。あのね，助けてくれてありがとうございました！』

ぺこっと頭を下げ，急に恥ずかしくなり一目散に駆け出す。

(よかった，お母さんに教わった通りにちゃんとお礼できた！また会えるといいなー)

ほかほかした気持ちを抱え，Aは家まで続く道を走った。

カタクリは少女が走り去った方向をしばらく見つめていた。

夕日が西の空に沈みかけ，紺色に染まる東の空には一番星が輝いていた。