Twinkle amber candy (ページ16)

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上手くいきますようにページ16

奥歯を噛みしめ，扉の隙間から男達を睨み付けていた。お腹の底がマグマのようにグツグツと燃え滾っている気がした。ふと扉の近くにあるラックを見ると，その上に鍵の束が無造作に置かれていた。慎重に手を伸ばし，すぐさまポケットに入れる。ついでに隣に置いてあったマッチ箱も拝借した。

Aは甲板に出ると積み荷の箱に火をつけ，束ねて立て掛けてあった資材をなんとか押し倒した。そして反対側に置いてある樽の後ろに身を隠す。

(上手くいきますように…)

祈るように見ていると，先程の男達が物音に気づき甲板に出て狼狽えている。男達が慌てふためいている様子を尻目に，下へと続く階段を見つけ一気に駆け下りた。

(あれ…何でさっきから，みんながどこにいるのかわかるんだろ？)

頭の中にぼんやりとだが子ども達の居場所が見える。

(そんなこと考えてる場合じゃないよね)

Aが奥の部屋にたどり着くと，子ども達は檻の中で体を寄せ合い震えていた。その中の一人がAに気がつき声を上げる。

「あッ！お前は」

『しー，静かにして！あいつらが気づく前に急がないと』

ガチャガチャと何度も鍵穴に鍵を差し込み回す。３本目でようやく開いた。

『この部屋を左に出ると，避難用のはしごがある。みんなはそこから逃げて！あいつらは今甲板の方にいるから，見つからないようにね』

困惑していた子ども達はみな黙って頷き，急いで檻の外へ出た。

「おい！」

その声に振り向くと，バタールが気まずそうにこっちを見ていた。

「その…えっと…あ，ありがと。それと，ごめん」

『謝るのは後！急いで！』