Twinkle amber candy (ページ15)

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行くしかないページ15

チリン

遠くの方で鈴が鳴ったような音が聞こえた。次の瞬間，

“助けて” “ここどこ…ママー！パパー！” “うるせェぞガキども！！！”

子ども達が泣き叫び，檻を蹴とばす大人の映像が頭の中を駆け抜けた。刹那的な出来事にAは思わずうずくまった。

(何これ何これ何これ……どうしよう，どうすればいいんだろう…)

心臓がバクバクして，冷や汗が止まらない。

(でも…行くしかない)

重くなった肺の空気を全て外に出すように息を吐く。琥珀色の瞳に力強い意志が灯った。
乗り込む直前，自分の白い帽子はかなり目立つと思い近くのポールに掛けた。

港に停泊する船の中―

「いや～～～拍子抜けするほど上手くいきましたね」

「だろ？貨物船を装い，万国に侵入。領海の外れにあるこの島でガキどもを攫う。我ながらいーい名案だァ！」

「おまけにこの島を治める大臣はお茶会に参加して不在。鬼の居ぬ間になんとやらだな！ギャハッハッハッハ！」

「この国はありとあらゆる種族がいるから，生まれてくるガキは珍しい容姿が多い！これならシャボンディー諸島でいい取引ができるぜ！」

「オレたちは大金持ちだ！！！」

Aが覗いた部屋は酒とタバコの匂いで溢れかえっており，その中で男たち数人がゲラゲラと下品に笑っていた。

「おい！ガキどもを見張らなくていいのか？」

「あ～あ…いいんですよ～オレがちょ～っと檻を蹴とばしたら，ビビッて……プッ…クククッ，ギャハッハッハッハ！」

「どうせカギがかかっているから逃げらんねーよ」

『……』