Twinkle amber candy (ページ14)

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誰かに知らせないとページ14

その日もAはいつものように配達をしていた。

『こんにちは！バゲットおじさん。ドーナツ屋「ユーサリ」のAです。お届けに来ました！』

「いつもありがとう，Aちゃん。偉いね，お店の手伝いをして」

『おじさん…なんだろ，今日元気ないね』

「ん？ああ…息子のバタールが帰ってきてないんだ。まったく，昼から仕込みの手伝いをすると約束したのに…Aちゃん，悪いけどもし見かけたら声を掛けてくれないか？」

『わかった！』

正直複雑だった。自分の翼と目を馬鹿にしてくるあいつの姿。

(ホントはバタール嫌いなんだけどな…でも，お世話になってるおじさんのためだ！仕方ない)

配達が終わり，Aは防波堤の上を歌いながら歩いていた。普段なら防波堤の上を歩くと大人に叱られる。しかし昼下がりの時間帯，ここは人通りが少なく静かだ。

(あれ？バタールだ……)

防波堤からピョイっと飛び降り，物陰からそっと様子を窺った。そこにはバタールと数人の子どもがニコニコと手をつなぎ，笛を吹くピエロの後に続いている。白昼夢を見ているようで，Aは少し怖くなった。

(どうしよう，なんかへん。誰かに知らせないと…でも)

悩んでいるうちに子ども達は港に停泊してあった船に乗り込んでいく。そのとき＿