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課題を発表する場は、大きめの箱を貸切った卒業公演。
設営やら音響、出演まで全て学生で行うこととなる。

3日後の本番に向けてのリハーサルが立て続けに行われる中で、ピリピリしているのは私達だけではない。


「合わせた感じ、なかなかいいんじゃない?」


「思ったよりだいぶいいね!Aはどう?アレンジめちゃくちゃかっこよかったよ!」


「よかった〜!ちょっと癖強いかなって思ってたけどなかなかにハマってたね!指回しもこっちの方楽だし。あとは歌なんだよなぁ...」


「あんまり自信ない?すっごく良かったけど」



英語だから、というのもあるが、なかなか気持ちが入らない。
ギターに精一杯になりすぎてただ覚えることしか出来ていない今の状態では、まだ私の中で完成系には程遠く、満足出来ていない。



「英語苦手なんだけどね。ちゃんと歌詞分かんないから気持ちが入れづらいんだと思う。1回翻訳してみようかな」



「もうあんまり時間無いけど、大丈夫?だいぶ追い詰めてるように見えるけど...」


「大丈夫だよ。どうせやるなら中途半端は嫌だから。」


「そっか。Aがそう言うなら私たちも頑張らなきゃね!」


正直、連日の指も痛いし、練習の為に酒場のバイトも遅めの時間にシフトを動かしてもらったせいで寝不足もいいところ。
今のところ利点といえば少しの上達と時給が高いところといったところか。


リハーサルが終わると今日はもう授業もなく、バイトも休みだし、少し休みたいところではあるけれど、やっぱりスタジオを借りて練習しようかな。



〜♪



通知音が鳴るスマホには凌さんの名前。



「もしもし」



「おう。今夜時間ある?」



「はい、大丈夫ですよ」



「飯行くぞ。」

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作者名:なちゅ | 作成日時:2020年4月9日 14時

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