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視線の先にいたエースは寂しそうな顔でもツラそうな顔でもなく
いつものように力強い瞳に火を宿し、真剣な面持ちで私を見つめていた
ドキンッ−−
不思議、こんな場所でも人ってときめくんだ
大好きな強い瞳
力強い瞳のエースを見ていたら、この先もずっと大丈夫だと思っていた
まさか、こんな姿のエースを見ることになるなんて誰が思っただろう
海賊をやっていれば危険は伴う
想像も出来ないような強い敵もいる
それは分かってる…
でもこんな…
海の上ではなく、ただ1人牢屋の中で苦しんでいるなんて…
涙を必死に我慢していると、ジッと私を見つめていたエースが優しく目を細めた
こんな状況には不似合いな優しい瞳
エ「A…。」
「うん。」
さっきまでのツラくて、苦しそうな声ではなく
ベッドの中のような優しい声
いろんな感情がブワッと溢れ、視界がぼやける
それでも私はエースから視線をそらさなかった
この瞬間を目に焼き付けるように、ただジッと見つめかえす
エ「A…愛してる。この世の誰よりも。」
「…エース。」
まるで別れを告げるかのような真っ直ぐな想い
その真剣な瞳と声色についに一筋の涙が溢れ出た
私なんかよりもエースはずっと冷静で現実的なのかもしれない
諦めたのではなく、死ぬのを覚悟しているのだ
だから、私にいつもは決して言わないような真っ直ぐな気持ちを伝えてくれた
「私も……愛してる。」
だったら私が返せるのは、同じくらい真っ直ぐな気持ち
"笑ってくれ…"
最後私にそう言ったラフの言葉が蘇る
無理やり笑う私の笑顔は引きつっていて不細工かもしれない
それでも、今この瞬間涙ばっかりの悲しい別れをしちゃいけないんだ
「……エース、またね！」
だから、精一杯笑った
今できる最高の笑顔をエースに向けて
そんな私にエースは小さく口角を上げて笑った気がした
すぐに背中を向けて飛び立つ
このままいたら、泣き喚いてしまいそうだったから
部屋の隅を飛行し、隙間から署長室に入ると、マゼランと話し込むおじいちゃんのポケットに滑り込んだ
見つかってはいないと思う
だけどこれから見つかってはいけない
嗚咽付きそうなほどに涙を流す私は、声を出さないよう必死に我慢して、手で口を塞いだ
それでも肩の震えは止まらない
それに気が付いたおじいちゃんは、周りから気付かれないようにポケットに手を入れ私を手で包む
おじいちゃんの温かい手の中、私は声を殺して泣き続けた
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いももち - この小説すっごく好きです！ (2019年4月23日 19時) (
レス) id: 881133e71e (このIDを非表示/違反報告)
なち(プロフ) - らぷんつぇるさん» お返事遅くなりすみません！あまりにも鋭すぎて、なんて返事をしようかと悩んでいるうちに時間が経ってしまいました(；ω；)大正解すぎて、ドキリとしましたよ笑これからも頑張るのでお付き合いいただけると嬉しいです^_^ (2017年5月29日 20時) (レス) id: ddbded9700 (このIDを非表示/違反報告)
らぷんつぇる(プロフ) - いつも楽しみにまってます！これからも頑張ってください！病気とかじゃなくて妊娠とかだったらいいなーって思いながら展開が全然わからないのでこの先も楽しみです (2017年4月25日 0時) (レス) id: 96ad861bb4 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - エース死んでほしくないけどきっと死ぬんでしょうね(泣) (2017年4月24日 20時) (レス) id: d018642a1d (このIDを非表示/違反報告)
なち(プロフ) - 花*花さん» ありがとうございます！面白いの言葉やる気につながります！これからも頑張ります！ (2017年4月15日 19時) (レス) id: ddbded9700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なち | 作成日時：2016年10月19日 20時
