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『なっ、なんだと!?』
槍の突きをもろにくらった斧は粉々に粉砕する
『鉄の斧だぞ!その細い体のどこにそんな力が!』
大男は信じられないのか、目を見開き固まっていた
「終わりだよ。」
ニヤリと笑った後、大男に槍を振り下ろし男は音を立てて地面に転がった
「
前にコピーさせてもらったジュキジュキの能力で男達を縛り上げる
「…さてと。」
槍を小さくし、ふぅと一息ついた私
「ねぇ、コソコソ見てないで姿を現せば?」
『あれ?やっぱり気付いてたの?』
振り返らずに声を掛けると、物陰から現れた楽しそうな声が近づいて来る
さっきから監視するように私を見ていた視線の正体
『凄いね、これだけの人数1人であっという間。』
何が楽しいのか、クスクスと笑う声の方に振り返る
そこには、綺麗な藍色の髪を肩まで伸ばし、一見女に間違えてしまいそうなほど綺麗で中性的な雰囲気の男がいた
「私に何の用?」
『君、賞金稼ぎの堕天使でしょ?』
「そう自分で名乗った覚えはない。」
ふざけたように笑う男の態度が気に食わなくて、睨みつけると楽しそうにニコリと笑う
『じゃあ、言い方を変えるね。』
「は?」
『賞金稼ぎのセレシア・D・Aちゃん。』
じっと私を見つめたまま笑う男の雰囲気に背筋がゾクっとする
名前は名乗ったことはあってもゴアをでてからフルネームを名乗ったことはない
なのにこいつは私のフルネームを呼んだ
あまりにも不気味な存在に私はジリジリと一歩後ずさりをした
『あれれ?これも名乗ったことないとか言うわけ?』
私の表情を読んでいるのか、笑顔の男の存在にドキドキと慌ただしく心臓が鳴り出す
「……あんた…何者?」
……もしかして
『さあ、何者かな?……ガブリエルちゃん。』
男の言葉を最後まで聞くかどうかのところで私は走り出していた
私のフルネームを知っていた
それだけじゃなくて、ガブリエルという昔の名前までも
なんでもう追われないと思ったんだろう…
……あいつは政府の人間だ
足が震えているのも気にせず、がむしゃらに走った
偉大なる航路はひとまず置いといて、とりあえずこの島から出なきゃ!
こんな時に脳裏に思い浮かぶのは、お母さんが私に背を向け立ち向かって行ったサイファーポールの姿
あれから11年も経つのに、今さら追っ手が来るなんて…
女顔の気配を気にしながら、私は港に向かってひたすら走った
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なち(プロフ) - りなさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです!頑張ります!^ ^ (2016年5月8日 22時) (レス) id: c4c4776476 (このIDを非表示/違反報告)
りな - とっても面白く、一気に読ませていただきました!続き、楽しみにしています! (2016年5月8日 12時) (レス) id: 07f97e4929 (このIDを非表示/違反報告)
なち(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます!期待を裏切らないよう頑張ります!! (2016年5月7日 23時) (レス) id: c4c4776476 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 読ませていただき、お気に入りにもさせていただきました!!更新、楽しみにしてます!!!!頑張ってください!!!! (2016年5月7日 19時) (レス) id: b8f07ad897 (このIDを非表示/違反報告)
なち(プロフ) - Hiyoriさん» ありがとうございます!頑張ります^ ^ (2016年5月5日 14時) (レス) id: c4c4776476 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なち | 作成日時:2016年5月3日 12時