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漂着して数日
慣れてしまえば、ゴミ山の生活も悪くはない
森がすぐそばにあるので食べるものには困らないし、臭いも慣れる
なにより知識がある人と出会わないという点が居心地の良さを上げていた
今日も森に入って食料を調達する
幼い頃から母に鍛えられていた私は、6歳という幼さではあり得ないほどたくましく
その辺で手に入れた鉄パイプ片手に狩りをしていた
『今日こそ全勝してやる！』
『こっちこそ、お前に負けるかよ！』
森で採った果物を食べながら歩いていると、聞こえてきた大きな声
木の陰に隠れ、声の方の様子を伺うと男の子が2人喧嘩をしていた
いや、喧嘩じゃなくて……勝負？
1人は黒髪で目付きが悪く、1人は金髪で品の良い服を着ている
一見、どこかの坊ちゃんがチンピラに絡まれているように見えるけど
2人の力は互角で、泥まみれになりながら揉み合っている
なんとなく…
なんとなくだけど、2人が自分と似ていると思った
何がって言われると、自分でもよく分からないけど
心の闇というか、どこか瞳の中に影がある…そんな感じ
「ねぇ？どっちのが強いの？」
気がついたら私は声を掛けていた
2人の手が止まり、視線が一気にこっちに注がれる
「「誰だ、てめぇ。」」
仲が良いのか悪いのか、息はぴったりだ
「なんで、戦ってるの？」
威嚇する二人にめげずに再び聞く
『お前に関係ねぇだろ。』
黒髪の方がギロリと私を睨む
『ま、俺の方が強いけどな。』
『あぁ？！サボ、俺のが強ぇに決まってんだろ！』
ニヤッと笑った金髪がわざとらしく言うと、怒鳴るように噛み付く黒髪
似てるようで正反対の2人は見ていて面白かった
そのまま口論が始まったと思えば、再び手が出て勝負が再開される
すっかり私の存在を忘れた二人の喧嘩とも言える試合を、私は時間も忘れてずっと見ていた
『24対26でエースの勝ちかぁ。』
『だから俺のが強いって言ったろ？』
『たまたま今日勝ち越しただけだろうが！』
ちょうど50回勝負をし終えたところで、二人は戦うのをやめた
『なんだよ、お前まだ居たのか？』
サボと呼ばれた金髪の子が呆れた顔で私を見る
『てめぇ、あっち行けよ！鬱陶しいな。』
エースと呼ばれた黒髪の子はカミソリみたいに尖って、私のことを睨みつけた
…面白いものを見つけた
黙って二人に背を向けその場を後にした私は
この時は二人のことをそのくらいにしか考えていなかった
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なち(プロフ) - smileさん» ありがとうございます！頑張ります^ ^ (2016年5月1日 18時) (
レス) id: c4c4776476 (このIDを非表示/違反報告)
なち(プロフ) - ハル vollyballさん» ありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです！私も早く成長した4人を書きたいです^ ^更新頑張ります！ (2016年5月1日 18時) (レス) id: c4c4776476 (このIDを非表示/違反報告)
smile(プロフ) - すごく面白いです!!更新頑張ってください♪ (2016年5月1日 10時) (レス) id: 2ba70f3726 (このIDを非表示/違反報告)
ハル vollyball(プロフ) - とても面白くていっきに読んじゃいました！(^ ^)設定もよく考えられていて凄いなぁと思いました。四人が成長してからのストーリーも楽しみにしてます！更新、頑張って下さい！ (2016年5月1日 8時) (レス) id: 64076d9255 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なち | 作成日時：2016年4月25日 18時
