無理せんでええ ページ5
駐車場に着くと、そのまま課長に付いて行く。
深い紫みたいな色の車の前まで来ると、くるっと振り向いて私を見た。
紫「横になるんやったら、後ろのほうがええか？」
「いやっあのさすがにそれは気が引けるので…」
これは本音だ。上司の車に乗せて貰うのに横になるなんて失礼極まりない。でも…
正直辛い。さっきよりも怠くなってるし…
すると、課長はまた優しげに眉を下げた。
紫「やから無理せんでええて。相手さんのところで倒れたらそれこそあかんから」
「……ありがとうございます…お言葉に甘えて…後ろで横にならせてもらっていいですか…？」
紫「ん、ほれ。乗って」
そう言って課長は車のドアを開けて私を中に促した。
程なくして課長が運転席に乗り込んで、
紫「ほな、行くでー。3、40分くらいで着く思うから。着いたら起こす」
「はい…ありがとうございます…」
課長の車のシートに横たわって、目を瞑ると、音速で意識を飛ばした。
紫「…ーい…おーい。着いたでー。」
「んっ…」
課長のザラみはあるけど優しげな声で目を開けると、課長が運転席から振り返ってこちらを見ていた。
寝ぼけていた頭が、今は仕事中だということを思い出した途端にパッと覚醒して、慌てて身を起こしたら、ズキッと頭に痛みが走って、顔を歪ませた。
紫「急に起き上がったらあかんて。…ちぃとは楽んなったか？」
「あっ…はい少しだけ…」
紫「そか。…ほな、ちょっと頑張ってな。そんなめんどい相手さんちゃうから」
「はいっ…」
運転席から出た村上課長は助手席に置いていた荷物を取って、私のいる方のドアを開けた。
「ありがとうございます」
紫「ん、」
よしっがんばろ…！
そう思いながら、私も荷物を持って車を降りた。
挨拶に伺った会社の方とのお話は、本当に面倒なことがなくて…というか、
絶対に課長が私が座っているだけでいいように会話をしてくれていたんだと思う。
どこまでいい上司なんだ。鑑すぎる。鑑感が止まらない。
紫「頑張ったな宮永」
「いえこちらこそ…何もかもありがとうございます…！」
紫「ええてええて。ほな、送るわ。家訊いてええか？」
「あっ…はいっ！」
私の言う住所をスマホのマップで表示させてカーナビのところにスマホを取り付けて、
紫「よっしゃ、行くでー。寝ててええからなー」
バックミラー越しに微笑んでから、課長は車を発進させた。
そして、私はまた音速で意識を飛ばした。
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なっち(プロフ) - 5050さん» コメントありがとうございます！！わぁぁそんな風に言っていただけるなんてなんたる幸せ…｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡亀更新な上に駄文極まりないですが、楽しんでいただけるよう頑張りますので、これからもよろしくお願い致します(^^) (2019年6月13日 1時) (
レス) id: 31aefe47bb (このIDを非表示/違反報告)
5050(プロフ) - このお話すごく好きです！この先がとても気になります！大変かと思いますがお話楽しみに待っています！！ (2019年6月13日 0時) (レス) id: 10d3d11638 (このIDを非表示/違反報告)
なっち(プロフ) - ささん» コメントありがとうございます！！！なんと嬉しきお言葉…（ ; ; ）駄文極まりないですが、これからもきゅんきゅんしていただけるように頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします(^ ^) (2019年2月3日 22時) (レス) id: 2527585a5e (このIDを非表示/違反報告)
さ - なっちさんの小説読んでてきゅんきゅん止まんないです！大好きです！ (2019年2月3日 18時) (レス) id: da80ac47d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なっち | 作成日時：2018年9月27日 13時
