左様なら…fkr ページ43
暗いです注意
いつまでも一緒にいられるものだと、勝手に思っていた。
拳の細長い指が、私の顔を、首筋を、身体を滑るように撫でる度に、嗚呼、好きだと堪らない程に思っていた。
拳の細く鋭い目が私を射抜く度に、私以外を見ないで欲しいと思っていた。
隣に座り、温もりを分け合うだけで幸せだった。
「別れて欲しいんだよね」
そう言う拳の表情は見えない。
『それは、もう私のことが好きじゃないってこと？』
「ううん、違うよ。Aのことは変わらずに好き。」
じゃあ何で、言葉が喉の奥で詰まり、出てこない。
「でもね、もう限界なんだ。Aが他の男の所に行ってしまう事が。」
『仕方ないじゃん、拳が忙しくて、そばに居てくれないから』
私だって拳だけが傍に居ればいい。
でも拳は私のカレシである前に、福良拳としてやらなきゃいけない事が多すぎる。
そして、そんな拳が隣に居てくれない寂しさに私は勝てなかった。
「俺じゃ、Aのことを幸せにしてあげられない。ごめん……」
嗚呼、泣かないで。
その涙すら愛おしい。
拳を悲しませたい訳じゃないのに。
拳がいるだけで幸せなのに、何で叶わないんだろう。
私の部屋の合鍵を、もう使わないから、とテーブルの上に置いて拳は部屋から出ていってしまった。
拳がいつも抱えていたぬいぐるみを抱き締めると、拳の匂いがする気がして、
ベッドサイドには拳とお揃いで買った写真立てに、私の誕生日に行ったディナーで撮ってもらった写真が入っていて、
テーブルの上には鍵と並んでさっきまで拳が使っていたマグカップが置いてあって、
何で、私の部屋だけでこんなに拳を感じられるのに、拳が居ないと寂しがって他の所に行ってしまったのか今ではもう分からない。
だけど、もう拳はいない。
その事実だけが私の中に残っていた。
さよなら、だいすきな人
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
書いてて胸が苦しくなりました。
何で書こうと思ったんだろう
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nacco(プロフ) - Nulla.さん» コメントありがとうございます！本当だ！全部違ってました…ご指摘ありがとうございました。 (2019年12月4日 17時) (
レス) id: 11a871ef0a (このIDを非表示/違反報告)
Nulla.(プロフ) - コメント失礼します！川上さんの拓郎の郎って［朗］じゃないですかね？勘違いでしたらすみません！更新頑張ってください！ (2019年12月4日 16時) (レス) id: d3e911df95 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - こんにちは、楽しく読ませていただいております！！リクエストで山本さんとの激甘、甘など読みたいです！できればいくつかの場面で読みたす！お時間ある時にでもよろしくお願いします！ (2019年12月1日 6時) (レス) id: da4a91ac36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：n | 作成日時：2019年11月26日 8時
