drop…kwmr ページ14
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ぽたり。
重めの何かが落ちたような気がして振り返ると何も落ちていなかった。
そこにあるのは我らが編集長と最近お気に入りの女の子が撮影用のソファーで談笑している姿だけ。
あぁ、あんなに目を垂らしちゃって。
って元からか。と脳内ツッコミだけして取りに来たスマホの充電器を取り退室。
当然私からかける言葉はないが、あちらからも一言もなし。
「これがついこの間まで付き合ってた彼女への態度ですか」
その言葉は、撮影部屋の外から突然降り掛かってきた。
『河村、くん』
「悔しくない？一方的に振ってきておいて自分は早々に新しい女の子とよろしくやってるんだよ？」
『ねぇ、聞こえちゃうから』
撮影部屋の扉は閉まっているとはいえ、このオフィスの壁はさほど厚くは無い。
普段表情の見えない瞳を軽蔑の色に染め扉を見つめる河村くんを半ば無理やり執務室へ押して行く。
「俺は聞こえるように言ってるんだよ」
『何でそんなこと』
「悔しいからさ」
Aさんは悔しくないの？と問われてまた何かが落ちる感覚。
ああ、これは。
『……悔しいよ』
さっきから落ちているのは私の心の染みだ。
突然私のことを好きじゃなくなったと言って捨てて、私の目の前で他の女の子イチャイチャして。
見ないようにしていたがどす黒い嫉妬はどんどん大きな染みとなり私を覆っていた。
『でも、河村くんはなんで悔しいの』
「だって、俺が好きなの分かっててAさんと付き合い始めたのに、Aさんにこんな酷い仕打ちすんだもんあいつ」
『何それ』
「気づいてなかった？俺Aさんが伊沢と付き合う前から好きなんだよ」
『つまんない冗談はやめてよ』
ぽたり。
「冗談だったら良かったんだけどさぁ」
声を荒らげる彼の顔を見れば、眼鏡の奥で零れる雫。
私の胸に落ちるものよりずっと綺麗で。
だけど私は彼のことも私のこともどうすればいいのか分からずただその涙を見つめていた。
(俺を好きになってくれたらいいのに)
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n(プロフ) - 葉華さん» 葉華様✳︎コメント頂きありがとうございます！とっても嬉しいです！また楽しんで頂けるようなお話を紡げたらと思いますので良かったら見にきて下さい❤︎ (1月22日 22時) (
レス) id: 32f17af958 (このIDを非表示/違反報告)
葉華(プロフ) - どれも素敵な作品でキュンキュンしました！素敵な作品をありがとうございます。 (1月19日 5時) (レス) id: 799c11267c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：n | 作成日時：2020年4月22日 21時
