番外編29 大切な形見を依代に ページ42
「このペンダントと、5つの玉を使って……悠久の玉を、再び封印します」
そう言う私を、
スネリが慌てて止めた。
「待って! Aは妖界への道を封印する時も、自分のペンダントを依代にしたでしょう? そのペンダントは、タイの物……大切な形見なんじゃ……」
「……そうだけど……石板は壊されたし……。悠久の玉を封印するには、これを使うしか……」
私の力では、
こうしないと封印が出来ない。
「A……」
「……良いの……」
言いながら、ペンダントを
ギュッと握り締める。
その後、躊躇いもなく石板を
ガタンと台座の上に戻し、
悠久の玉を手に取る。
そして、私は脳裏で
思う事があった。
……もし、悠久の玉が
私の願いを叶えてくれるのなら……。
──ううん、私の願いは
悠久の玉にも叶えられない。
悠久の玉はふわりと宙に浮いた。
その時、呪文を唱える。
「“天円地方、律令九章、五今下筆”」
このペンダントを
依代に……。
「“万鬼伏蔵”」
悠久の玉を封印する──!
「“急々如律令”!」
私は強く目を瞑る。
ペンダントを手放す瞬間だ。
本当は手放したくない、
ずっと持っていたい……。
『A』
その時、優しい涼やかな声が
耳元に響き、首元に違和感を感じる。
目を開くと……、そこには微笑んで
こちらを見る女の人の姿があった。
首元には外した筈の
タイ君のペンダント。
そして、目の前に居る人は……
赤いうず目に、銀色の髪。
まさか……母さん?
「レ……、レンメイ様……!!」
2人がそう叫んだ。
私は数歩後ずさって、
2人に問う。
「スネリともっけにも見えるの……?」
「当たり前だろ!」
「本当に……本当にレンメイ様が……夢を見て居るのかしら、私達……!!」
『夢じゃないわ。見て』
言いながら、
母親が指差す。
その方向を見ると……。
『大きくなったね、A……』
微笑みながらこちらを見る
父親の姿があった。
『A』
更に、背後からも
女の人の声が聞こえ、
驚いて振り返ると、
今度は都和子先生の姿が。
3人は幻だって事は、
わかっていた。
それでも驚きを隠せない。
「幻……なんだよね……?」
悲しそうな顔をして
小さく頷いた都和子先生。
「そう……でも……嬉しい。幻でも、こうしてお母さん達に会えたから」
番外編30 ずっと、傍に居るから→←番外編28 ……さようなら。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フェイル(プロフ) - マカロンさん» どういたしましてー！ (2013年5月25日 6時) (
レス) id: 463bf347e5 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - マカロンさん» 漫画版の方は完結になってしまいましたねｗｗ 小説版の方もなるだけ頑張っていきます! 緑字のお話ですが、コメントの最後の方をよく見てみてください! (ﾚｽ)と書かれている部分があるので、試しにそこをクリックしてコメントをしてみてくださいね! (2013年5月22日 20時) (レス) id: 463bf347e5 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - マカロンさん» お久しぶりですー！ご観覧ありがとうございます！ (2013年5月22日 19時) (レス) id: 463bf347e5 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - 鈴乃さん» タイ君人気ですよねカッコイイですよね! ご観覧ありがとうございました! (2013年4月25日 19時) (レス) id: 463bf347e5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴乃(プロフ) - このタイ君かっこいいです！！ (2013年4月21日 20時) (レス) id: 43209eea25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フェイル | 作成日時：2011年3月10日 22時
