＃４４(S) ページ44
S side
自分の足で帰れる自信がなくてタクシーに乗った
ボーっと窓の外を眺めてるとポケットに入れてるスマホが震えた
Aからの着信
あぁ、上手くいったんだろな…
でもごめん、今は聞いてあげれる余裕ない
電源を落としてカバンの中にスマホを放り込んだ
『…っ、』
頬を伝う涙はポタポタとスーツに染み込んでいく
Aの背中を押した自分の右手が憎くて爪がくい込むほど握り締めた
電気もつけないままリビングのソファーに全身を預けてるとインターホンが鳴る
のらりくらりと立ち上がりモニターを確認した
は？なんで…
画面にはAが写っている
『…A？』
「佐久間！！」
『…なにしてんの』
「さくま、私…っ、」
『ちょっとまって』
ドアを開けると同時に抱きついてきていたのは紛れもなくA
『なっ』
佐久間、佐久間、と俺の名前を呼びながら泣いてるAにどうしていいか分からない
『なに、渡辺さんに会えなかった？』
「っ、会えた、会えたよ」
『じゃあなんで』
「佐久間が素直になれって言った、」
言った、確かに言ったけど、この状況も含めて全然意味が分からない
「私が大切にしたいのは、佐久間」
『えっ』
「私が好きなのは、佐久間なの」
『ほんと、に？』
「そのこと、翔太くんに伝えてきた、」
何も言わない俺から離れていこうとするAを抱きしめる
『まじのまじ？』
「まじのまじ、」
『…離してって言っても、もう離せないよ？』
「うん、離さないで、」
『A、』
顔を上げたAが俺の顔をじっと見てくる
頬にそっと手が添えられた
『A…？』
「佐久間、泣いてたの、？」
『え、』
「ごめんね、沢山不安な気持ちにさせて、嫌な思いさせて、」
『ううん』
また泣き出しそうなAを抱き寄せる
『Aのせいじゃないから』
Aの手を引きリビングのソファーに座らせた
『なんか飲む？』
「…佐久間、私でいいの？ほんとに」
え、なんでこのタイミングで不安になるの？
Aの足元にしゃがみこんで手を取る
『Aじゃないと俺やだよ』
「私、女の子らしく出来ないし、料理も苦手だし、」
『そんなの知ってる』
「っ、」
『着飾ってない、ありのままのAが好き』
膝立ちになり下から掬うようにキスをした
ゆらっと揺れるAの瞳は熱っぽくて吸い込まれそうになる
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M(プロフ) - 咲里以さん» 見守ってくださりありがとうございました！佐久間さんに追われるのがまたポイントですよね🤦🏻♀️咲里以さんとのご縁に···💐 (2022年4月30日 20時) (
レス) id: af16cad67a (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - miku mさん» ありがとうございます！憧れますよね···！佐久間さんに追われる話を書きがちになっちゃいます🥹 (2022年4月30日 20時) (レス) id: af16cad67a (このIDを非表示/違反報告)
咲里以 - 完結お疲れ様です！！私は断然！追われる派です！！！素敵なお話ありがとうございました！！花束私も待ってます← (2022年4月30日 17時) (レス) @page50 id: d6172fab00 (このIDを非表示/違反報告)
miku m(プロフ) - お疲れ様でした。私は追われる恋に憧れます。 (2022年4月30日 15時) (レス) @page50 id: b2de02ad3f (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 咲里以さん» 初めまして！嬉しいコメントを頂きありがとうございます😭💓スローペースですが、これからもよろしくお願いします！ (2022年4月13日 17時) (レス) id: af16cad67a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M | 作成日時：2022年3月11日 22時
