マーガレットを君に１

＃４２(S) ページ42

S side

今日は久しぶりにAと帰るタイミングが重なった


『あ！』


「なに、どしたの？」


『デスクにスマホ忘れた、ごめんちょっと待ってて』


「わかった、慌てなくていいよ！」




オフィスに入ろうとしたとき渡辺さんと深澤さんが話している声が聞こえた



深「やっと、解決したな」


渡「あぁ、まじありがとな」


仕事の話？


挨拶だけしてさっさと下に降りよ



深「Aのことは、どうすんの？」



え、A？



渡「このままでいい、Aは知らなくていいことだから」


深「別れたのも全部、前田から守るためだったんだろ？それが解決したんだから、もういいんじゃねぇの？」



『今の、どういうことですか』


深「佐久間…！」



渡「…聞いてたんだったら、そのまんまだよ」


『もしかして、ずっと、Aのこと、』


渡「だとしても、別になんも変わんねぇ」



おい、うそだろ、、


渡「Aのこと、頼むな」


は？なんだそれ、、


『ふざけんな、、』


渡「え？」


『Aがどれだけ傷ついたか、知ってんのか？


一番そばにいて欲しかったあんたに突然突き放されて』


深「佐久間、やめとけ」



『Aはあんたが隣にいてくれるだけで良かったんだよ


それが一番安心できたんだよ！なのに…かっこつけてんじゃねーよ！』



なんなんだよ、自分は身を引いて俺に任せるって…


あぁ、そっか、同じ土俵に立ったら俺が負けることなんて決まってるもんな、、





下に降りるとエレベーターの前でAが待ってくれていた


「夜ご飯、どこ行く？」


『…っ、』


やっと、やっと、俺の方に来てくれたのに


離したくない、行かせたくない



「佐久間…？どうしたの？」



でも、俺の願いはAが幸せになること


…俺が縛ってちゃいけない






渡辺さんのことを伝えた


「え…でもなんで、、」


『だから、渡辺さんはAのことを思って、身を引いたんだよ』


「そんな…」


『行ってこい、渡辺さんのとこ』



泣きそうな顔で首を横に振るA


Aは優しいから俺に申し訳ないとか思ってんだろ？



『行けって！』


俯くAの背中を押す


『もう、自分の気持ちに素直になっていいから』


「わか、った、」



渡辺さんの元へいくAの背中を見つめる



俺のこと好きになろうとしてくれてありがとう


すっげぇ幸せだったよ、俺




これでよかった、


また、友達に戻るだけ、、

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