(柳田)雨の日がくれた君とのひと時の幸せ ページ3
ああ、鬱だ。
ザーザーと私を嘲笑うかのように強く地面を打ちつける雨。
仲の良い先生に手伝いをお願いされて、遅くまで残ることになってしまったのだけど。まあ、それはいいの。お礼ってお菓子くれたし、飲み物も奢ってくれたし。
でも、雨降るなんて聞いてないもん。
「どうしよう」
呟いた言葉は雨の音に消えた。
その時、後ろからザッと靴を擦る音。驚いて振り向けばそこには同じクラスの柳田くんがいて。
なんだ、Aか。ってふわりと微笑んだ。…やっぱ、笑顔の可愛い人だ。
「何してたの？こんな時間まで」
「先生の手伝いで。…柳田くんは？」
「後輩に厄介事頼まれちゃって。補習ギリギリだから勉強教えてって」
「そうなんだ。優しいね」
「それを言うならAこそ」
ふふっとお互いに笑いあう。
柳田くんとは同じクラスってだけであまり接点はなくて。でも、後輩から人気があるのは知ってる。優しくて、かっこよくて。慕われる理由もわかる。
そんな彼に惹かれてるのが私。叶いっこないってのはわかってるんだけどね。
「それで、どうしたの？」
「傘持ってなくて。どうしよっかなーって」
「あ、じゃあ駅まででいいなら送るよ」
「え？」
「たぶん雨止まないし」
そう言って鞄の中から折り畳み傘を取り出した。ばっと広げた黒い無地の傘。
何が起きてるのかわからなくてぼーっと突っ立ってる私に、行かないの？なんて。
こんなことあっていいの？夢じゃないよね？バレないようにこっそり腕を抓ってみるけど痛くて。とりあえず遠慮がちに隣に入ってみた。
折り畳みだから左肩が常に柳田くんにぶつかる。傘を私に傾けてるせいで柳田くんの左側は濡れてく一方だし。申し訳なくて謝るけど、気にしなくていいよ、なんて。
「…ありがとう」
「どういたしまして」
雨の日がくれた君とのひと時の幸せ
(どうしよう。ほんとに大好きだ)
title.楽園
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maruyamaryuh(プロフ) - 更新期待してます!! (2017年7月30日 8時) (
レス) id: b5f2cd076b (このIDを非表示/違反報告)
ayuu(プロフ) - リリさん» はじめまして！ありがとうございます(●' '●)ちょっとペースト落ちつつありますが一生懸命書きますね(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年8月1日 23時) (レス) id: 24001718ca (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 初めまして。いつもお話読ませていただいています(o^^o)どれも胸がきゅん、となる素敵なお話ばかりで癒されています。これからも楽しみにしていますね(^ ^) (2016年8月1日 0時) (レス) id: 67d32b43af (このIDを非表示/違反報告)
ayuu(プロフ) - 楓さん» ありがとうございます( ^ω^ )これからも少しでも幸せになっていただければと思いながら書かせていただきます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年7月28日 16時) (レス) id: 24001718ca (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - Daysの1から見させていただいてます！毎回キュンキュンさせられてます(笑)これからも応援してます、更新頑張って下さい！ (2016年7月28日 13時) (レス) id: f8c7f97da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：as | 作成日時：2016年7月23日 21時
