(柳田)キミの声に安心したのは秘密 ページ12
いつもはなんてことない道。けどあの話を聞いてから怖く感じる。
いつも来る常連様。よく来てくれるなーって思ってたんだけど、バイト先のメンバーさんに、あの人Aちゃんいる日しか来ないよねーなんて言われて。
確かに固定でシフトで組んでるから、把握されてもおかしくはない。でも…
自意識過剰かもしんないけど、シフト少し変えて。
それでも来るなら時間帯変えてもらおうかなって思ってたら、今日ついに会ってしまった。
心なしか私を見た瞬間、表情変わった気がする。背中に変な汗が流れる。
どしたの？大丈夫？なんてメンバーさんに心配されたけど、笑ってごまかすしかできなかった。
「お疲れさまでしたー」
いつの間にかそのお客さんは帰っててほっと安心してバイトを終えた。これから飲み行かない？なんて言われたけど気分が乗らなくて断った。
いつもの道を歩く。休日のせいか、人通りが少なくて、というかなくて。
早く帰ろ、なんて思った矢先、飲みに行けばよかったと後悔した。
私の後ろを歩く足音。後ろを振り返っても誰もいなくて。心臓が変に音を立てる。
早足で歩けば、追いかけてくる音も早くなった。
無理、怖い。走り出したその時角で人にぶつかった。
ごめんなさい、そう言って足早に去ろうとしたのも束の間、ぶつかった相手に手を掴まれた。
腕を掴んだその人は、私の幼なじみで。
手にはコンビニの袋。私の泣きそうな顔を見た瞬間表情が強張る。
「…どした？」
その時、角を曲がってきたもう１人の男。
それは、予想してた通り常連様で。慌ててまさの後ろに隠れた。
それに気付いて逃げようとした男を追いかけ腕を掴む。
離せって男が叫ぶけど、まさは表情を変えないままその男を殴った。
「…まさ！」
「なんで泣きそうなの？」
男にのしかかったまま睨みながら私にそう尋ねる。
こいつになんかされたの？そう言ったまさの声はいままで聞いたことない低くて。
その威圧感に観念したのか、男がぶつぶつ言いだした。つけてたって。
まさを突き飛ばして、逃げるように去っていった。
何かが切れたみたいに地面にへなへなと座り込む私にまさがゆっくり近づく。
涙腺が崩壊したように私は泣き出した。
そんな私を抱きしめて、ぽんぽんっと背中を撫でるまさ。
温かくて落ち着く胸の中に頭を預ければ、まさの腕に力が籠もった気がした。
「…大丈夫。俺がいるから」
キミの声に安心したのは秘密
(石川)イケメン、拾いました→←(石川)ただ、笑うきみに甘えたい
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
maruyamaryuh(プロフ) - 更新期待してます!! (2017年7月30日 8時) (
レス) id: b5f2cd076b (このIDを非表示/違反報告)
ayuu(プロフ) - リリさん» はじめまして！ありがとうございます(●' '●)ちょっとペースト落ちつつありますが一生懸命書きますね(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年8月1日 23時) (レス) id: 24001718ca (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 初めまして。いつもお話読ませていただいています(o^^o)どれも胸がきゅん、となる素敵なお話ばかりで癒されています。これからも楽しみにしていますね(^ ^) (2016年8月1日 0時) (レス) id: 67d32b43af (このIDを非表示/違反報告)
ayuu(プロフ) - 楓さん» ありがとうございます( ^ω^ )これからも少しでも幸せになっていただければと思いながら書かせていただきます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年7月28日 16時) (レス) id: 24001718ca (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - Daysの1から見させていただいてます！毎回キュンキュンさせられてます(笑)これからも応援してます、更新頑張って下さい！ (2016年7月28日 13時) (レス) id: f8c7f97da8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：as | 作成日時：2016年7月23日 21時
