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藤牧「あ、良かった、まだ居た」
ノック音がして直ぐに扉が開く。
そこには京介君が顔を覗かせていた。
『京介君、お疲れ様』
藤牧「Aちゃんもお疲れ。手伝おうと思ったけど、ひょっとしてもう終わった?」
『うん!もう終わって、作業スペースの掃除してた』
ふぅ。
小さく深呼吸をする。
さっきの事、もう一回謝らないと。
多分、長い時間待ってくれてたんだと思う。
『京介君、あの、今日はごめんね、、。結構待ってたでしょ?』
藤牧「…正直言っていい?結構待ってた」
『そうだよね…本当ごめんなさい、、』
申し訳無さすぎて京介君の顔が見れず、目線が下がる。
藤牧「そんな謝んないでよ。笑 今日ので諦めついたし、大丈夫だから」
『…ん?諦め、?』
”諦めついた“
この言葉が引っかかり、顔を上げる。
すると、水分を多く含んだ京介君の瞳と視線が絡む。
藤牧「あー、…実はさ、聞いちゃってたの。匠海がAちゃんに告白してるところ」
『っへ!?』
藤牧「邪魔するつもりなかったんだけどさ、体が勝手に動いちゃって、気づいたら呼び出してた」
少し開いていた距離を京介君が一歩詰める。
藤牧「来るはずないって思ってたんだけど、来てくれたら良いなって」
また一歩、また一歩、徐々に距離が縮まる。
藤牧「まあ結果?来なかった訳ですから、その時言おうと思った事は言わない。笑 自分で考えてくださ〜い」
『いてっ』
おでこにデコピンされた。
なにそれ。
藤牧「…じゃ、また」
デコピンしたところを撫でた後、頭にポンっと手を置いてそっと離れる。
その一連の姿がなんだか儚くて、しばらくその場から動けなかった。
…ずるいなあ。
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みなみ - 主様のペースで全然大丈夫ですよっ!!🤭更新された日はすごく嬉しいです。このお話本当に好きで、更新はまだかまだかといつも確認しています(笑)😂完結するまで楽しみにしています!!頑張ってください!! (8月12日 0時) (レス) id: 0c99d37284 (このIDを非表示/違反報告)
あいう(プロフ) - 更新、そして続編もあるとのこと、とっても嬉しいです🥹!楽しみにしています!!!作者様のペースでこれからも更新頑張ってください^_^🎶 (8月11日 22時) (レス) @page50 id: e27a4b5f22 (このIDを非表示/違反報告)
ぉれんじゅ(プロフ) - ずーーっと大好きですこの作品!好きすぎて何回目だよってくらい読み返しています(笑)な様のペースで更新頑張ってください!応援しています^^ (6月17日 14時) (レス) @page39 id: 0459d68993 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - この小説を見つけた時からもう大好きなんです…🤦♀️こんな感じのお話を書いてる方があまりいないので、出会えて良かったです。これからもずっと更新待ってます!! (5月18日 21時) (レス) id: 0c99d37284 (このIDを非表示/違反報告)
ぉれんじゅ(プロフ) - 匠海くん推しなのでこの作品はたまりませんっ…!!更新すごく楽しみにしています^^ (2023年5月2日 13時) (レス) id: 732715e1a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:な | 作成日時:2023年4月26日 2時