＊なんて事ない日常を3＊米津玄師 (ページ16)

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米津「A…」

治療が終わった。
額を切っていて10針縫った。
右腕の骨折。全身打撲。
傷だらけのAを見て、また震えが止まらない。
涙まで出てきた。

『米津さん…私、今日は帰ります』
米津「ごめん…本当ありがとう…」

気を使わせた。でも今は2人になりたかった。
どれぐらい時間が経っただろう。
外はもう薄暗い。

米津「A、そろそろ起きて…」

ずっと眠ったまま。早く起きて声を聞かせてほしい。
じゃないと俺、ずっと泣いたままだよ…

「玄師…」
米津「A…」
「痛ッ…ここ…病院？」
米津「うん…」
「あ、子供は？大丈夫やった？」
米津「うん。怪我してないって」
「良かった…玄師、何泣いてんの」
米津「怖かった…」

まだ泣いている俺の頬に触れた。

「また心配事増やしてごめんな」
米津「ううん」
「あたしは玄師を置いて死んだりせーへんから」
米津「うん…」
「今回はちょっとヤバイって思ったけどな」
米津「無茶しないで、本当」
「ごめんごめん。でも子供が無事でほんま良かった！」

ニコっと笑う。
どんだけ強いんだよ。俺、めっちゃメソメソしてんのに。

「あ、りっちゃんは？」
米津「今日は帰ったよ。俺がAの事見て泣いたから気使わせたっぽい」
「それは気使わせたな」

あはは！じゃないよ、本当。
でも良かった。いつものAだ。