探し物 ページ38
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「 …だーすー、どうしよ 」
将「 ん？なに、どうした？ 」
「 …お守りのピアス、片方無くした… 」
…そう、私は、お母さんが、
私が上京するときにくれたピアスを無くした。
将「 何やってんねん… 」
だーすーも、上京しただけあって
心細い気持ちとか、やっぱり分かるみたいで
心配そうな声で呟いたことくらい、分かる。
「 …っ、どうしようっ、
あれは私のお守りやのにっ…、 」
将「 …泣くな、A…
お前がそんな顔してると、俺も辛いねん… 」
「 …だって…っ、どこ探してもないし、
どうしたらいいかわからんっ…、 」
私に頼れるのなんて、だーすーくらいしかおらんくて
迷惑かけてるの分かってるけど、どうしようもなくて。
将「 俺も一緒に探したるって 」
思ってたより素っ気ないだーすーの態度に
「 …迷惑なら、そう言ってや。
いいよ、自分で探すし…っ 」
将「 …は？ 」
「 いい、いいから。
…もう、だーすーのこと頼らん、からっ 」
『 はあ… 』
…私はだーすーを、怒らせた。
いつも優しくて、味方でいてくれただーすーを、
怒らせた。
私だって、頭では分かってんのに。
将「 …勝手にしろや 」
ピアス無くしたのも、だーすーを怒らせたのも
全部、私が悪いって。
…頭、冷やそ。
「 …ちょっとコンビニ行ってくる 」
別に買いたいものもないのに、
ただ、だーすーと一緒におりたくなくて。
もっと怒らせてしまうのが怖くて。
「 …さっむぅ… 」
コートくらい、着てくればよかった…
「 あ、財布忘れた 」
何も、ない。
財布もないけど、心も空っぽで。
「 …ぅうっ、 」
無気力って、こういう事を言うんやろうな。
…こんなことくらいで泣いて、みっともない。
そう思うのに、涙はどんどん出てきて。
「 …なんで、止まらんねんっ… 」
将「 …A、 」
「 …なんで、おるん 」
将「 …こんな冷たくなって。
コートぐらい着ろ。アホか。
部屋開けっ放しやねん、はよ帰るぞ 」
…迎えに来てくれた、だーすー。
それがすっごい嬉しくて。
嬉しいんやけど、
…開けっ放しはやめて…
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作者名：なーちゅ | 作成日時：2017年12月30日 22時
