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シンさんはじーっとカップの中を見つめて、
｢嬉しいわぁ、ありがとうな｣
って、私の大好きな笑顔を見せてくれた。
『いえ、ごゆっくりどうぞ』
私は頬が緩みそうになるのをぐっとこらえて、なるべく平然とそう言い、裏にはけた。
あんなの反則だよ…
嬉しいわぁ
ありがとうな
たったひとことでも、私の心は満たされる。
____好き。
毎週木曜日少し疲れたような顔をしてここにくるシンさんを笑顔にしたかった。
だって、好きなんだから。
私がシンさんを好きになったきっかけは3ヶ月くらい前かな？
その日はなんだか落ち着かなくて、コーヒーを運ぶ途中に手を滑らしてしまってカップを割ってしまったの。
その時、コーヒーがシンさんにかかってしまったんだけど、
シンさんは｢大丈夫？かかったよな、火傷してへん？｣って私の心配をしてくれたの。
自分もかかってるのに、先に私の心配をしてくれて、あ、優しい人だなぁって思ったんだ。
謝り続けてたらポンポンって私の頭を微笑みながら撫でてくれたの。
それから、私の中でシンさんは" 特別 "になった。
＊＊＊
いつもみたいにシンさんは40分くらいたった9時頃に席を立つ。
もう帰っちゃうんだよね…
『ありがとうございました』
………あれ？ドア開けてるけどシンさん出ていかないんだけど…
『あの…』
シンさんは私の顔をじっと見つめてる。
え、え、どゆこと？
ドキドキ…
｢あの…さ、名前教えてくれへん？｣
『えっ…と』
一瞬、頭の中が真っ白になった
な、なまえきかれた？？
｢あなたの名前は？｣
『あ、A…Aです』
｢Aちゃん…ね！可愛い名前やな｣
名前褒められた…
好きな人に名前を呼ばれるってこんなに嬉しいことなんだね。
｢Aちゃん、今日もありがとうな！ごちそうさま。また来るわ！｣
最後にそう言ってシンさんは帰っていった。
私はその後ろ姿から目を離すことが出来なかった。
Aちゃん…だって。もうやばい。
ありがとうとか、ごちそうさまとか…
可愛いって言われたよーーーー
名前が…だけど、可愛い名前やなだって！自分でも顔が熱くなるのが分かった。
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むつみ - キュンキュンしちゃいました！うらやましいです (2018年12月4日 21時) (
レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)
むつみ - こういうストーリー大好きです。これから読むのが楽しみに待ってます (2018年11月23日 19時) (レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏歌 | 作成日時：2018年11月23日 13時
