てぐんさんの嫁9 (ページ16)

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LE「A…俺も入っていい？」
「……うん」

ドアの開けると背中を向けて湯船に入っていた。
急いで全身洗う。
体は念入りに洗った。
今はAと同じ匂い。

LE「シガから話聞いたよ」

湯船の外からAの背中に向かって話しかける。

「うん…」
LE「不安にさせてごめん」
「うん…テグナも入って。風邪引いちゃうから」

そう言ってくれたけど、俺に背中を向けたまま。

「どうして連絡してくれなかったの…？」
LE「飲みに連れて行かれて…携帯触れなかったんだ…もう寝てるかなって思って連絡しなかった。
こんな事になってるなんて思ってなかったから…ごめん」
「匂いは？誰の香水？女物だよね…？」
LE「俺にもたれ掛かって寝ちゃってた先輩のだと思う」
「そっか…」

しばらく無言。

LE「抱きしめていい？」
「うん…」

後ろからAを抱きしめる。
Aのシャンプーの匂い。いつもの匂い。
落ち着く。
あぁ、そうか。
俺の匂いが好きなA。いつもと違う匂いがしたら不安にもなる。
先輩だからと振り解けなかった。
Aがこんなにも不安になるなら振り解けばよかった。後悔しても遅いけど…

LE「ごめん」
「ううん…私も夢と現実がごちゃごちゃになってた。ごめんなさい。でもこれからは連絡してね」
LE「うん」
「シガにまた迷惑かけちゃったな…シガも体冷えてるからもう出よう」

脱衣所でAの頭をタオルで拭く。
ちょっとガシガシしすぎてAが笑った。

「もう！乱暴だなー」

笑ったAを抱きしめた。
今日初めてちゃんと正面から抱きしめられた。

「苦しいってばー！」

仲良くリビングに戻るとパソコンを開いていたウォンシクがホッとした表情で俺たちを見た。

RV「もう大丈夫だね」
「ごめんね、シガ」
RV「いいのいいの！いつもの事ですからー。
あ、ヌナ今日お昼からでいいから買い物付き合って。それでチャラって事で。
じゃあ俺もお風呂入ってきまーす」

笑顔でリビングを出て行くウォンシク。

「いいよね？」
LE「え？うん…」