201 ページ22
隣を歩くAを見る。
LE「楽しい?」
「うん!」
ただ並んで歩いているだけなのに、Aは凄く楽しそうだ。
「幸せだなー」
LE「ん?」
「テグナの手をこうして握れるのも、優しい顔見れるのも、甘い声聞けるのも私だけなんだよ?
私は幸せ者だ!」
可愛い事をサラッと言う。
今すぐ抱きしめたい衝動に駆られる。
でも外だから出来ない。
頬を撫でると「いひひ」と笑っているA。
「テグナ、何か見たい物ない?」
LE「ある」
「どこー?」
LE「こっち」
実は、Aのために自分でデザインをしたネックレスを作ってもらっていた。
この間貰ったネックレスのお返しだ。
それがちょうど今日出来上がったと連絡をもらっていた。
「ここ?」
LE「そう。ちょっと待ってて」
ネックレスをまずは確認。
大丈夫。
LE「はい」
「え?」
LE「ネックレス。俺がデザインした」
「え、なに。どういう事!?」
Aさん、ちょっとパニック。
LE「とりあえず見てよ」
「あ、うん…この数字…」
LE「わかる?俺の誕生日はAと出会った日。こっちは、Aにプロポーズした日。
こっちは、俺たちが夫婦になった日。
記念日、もっといっぱいあるけどそんなに入らないから3つだけ入れたんだ」
「作ってくれたの?」
LE「うん。世界に一つしかない物を渡したかったから」
「……」
泣いてしまったA。
LE「気に入ってくれた?」
「うん。嬉しすぎるよ!つけていい?」
LE「俺がつける。どう?」
「可愛い…ありがとうテグナ。私、一生外さない」
Aにネックレスを貰った時の俺ぐらい涙で顔がグチャグチャだ。
LE「泣きすぎ!笑」
「だって嬉しいんだもん」
抱きしめようとした時、ここが家じゃない事を思いだした。
店にいる皆が俺たちのやりとりを見ていた。
ヤバイ…恥ずかしい…
「テグナ?」
LE「店の中だって事忘れてた。皆見てる…」
「あ…」
91人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ななななん | 作成日時:2015年9月26日 21時