先輩とてぐんくん (ページ21)

今日:19 hit、昨日:2 hit、合計:21,108 hit

21 ページ21

LE「あ、Aヌナだ。遅…」

グラウンドを見るとAヌナが走っていた。
本当に遅い。
周回遅れをしているらしいAヌナは、追い越されるたび友達にからかわれているようで身振り手振りで何かを訴えていた。

LE「俺のジャージ…」

何度も腕をまくっていたけど、すぐ萌え袖になっているし、お尻が隠れるぐらい大きい。

LE「うわぁ…」

頬杖をつきながらニヤける顔を隠した。
あれはヤバい。
授業なんてほとんど聞かずにAヌナをずっと見ていた。
しばらく見ているとAヌナの様子がおかしい事に気付いた。
なんだか足元がフラフラしている。

LE「あ！Aヌナ！」

倒れた…Aヌナが倒れた…
あれは転けたんじゃない。
明らかに倒れた。

『授業中だぞ！静かにしろ』

先生に怒られたけど、どうでもいい。
倒れたAヌナの周りに人が集まり、抱きかかえられながら運ばれていった。
今すぐ保健室に行きたい。
早く終われよ、こんな授業！！
チャイムが鳴りまだ先生が喋っていたけど、教室を出た。

『おい！テグナ！どこ行くんだよー！』

友達が何か叫んでいたけど無視して走った。
今はAヌナの事しか頭になかった。

LE「Aヌナ！！」
『こら！静かにしなさい』

また怒られた。

LE「あ、すみません」
SH「テグンくん！？」
LE「ヌナの友達の…あの、Aヌナは…」
SH「貧血みたいだから大丈夫だよ。
あ！私、着替えなきゃだからAのそばにいてあげてくれる？」
LE「はい」

俺の肩をポンッと叩いて出て行った。
何もかもお見通しだと言わんばかりの目がちょっと怖かったけど、頭を下げた。

LE「Aヌナ…」

顔色が悪すぎる。
そういえば寝不足だって言ってたな。
倒れた時についたらしい傷が頬に…
こんな事になるなら、嫌な体育サボろうかって言えばよかった。

LE「ごめんね、ヌナ」