先輩とてぐんくん (ページ13)

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耐えた…なんとか耐え抜いた。

植物園の最寄りの駅に着き、歩いているとAヌナの足が止まる。

LE「ヌナ？」
「あの雑貨屋さんちょっと見てもいい？」

Aヌナが指差す方を見ると、可愛い雑貨屋さん。

LE「もちろん」
「ありがと」

木目調の店内に入ると雑貨やアクセサリーがズラリと並んでいた。

「わぁー可愛い」

そう言いながら店内を見てまわるAヌナの後ろを歩いていると、ピアスが目に止まった。

LE「可愛い」

星の形をしたピアス。
可愛い。今日のお礼に買おう。

LE「Aヌナ、先にレジいくね」
「うん！私ももうちょっと見たらレジいくねー」

バレないように特に欲しくもないメモ帳も一緒に買った。
店を出て、また並んで歩く。

「テグナ、お腹空いてない？大丈夫？」
LE「え？なんで？」
「大きいからいっぱい食べるイメージ」
LE「そんな食いしん坊じゃないよ」

嘘だけど。緊張していて朝ごはんが喉を通らなかった。
だから今ちょっとお腹が空いている。

「ふふ。そうなの？弟たちはすぐお腹空いたーって言うから」

弟たちの話をするAヌナはいつも本当に幸せそうな顔をする。ちょっと嫉妬。

「あ！見えてきた！行こう、テグナ」

そう言って俺の腕を掴み走り出す。
嫉妬なんてしている場合じゃなかった。
今Aヌナといるのは俺だ。