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正直Aくんの一人称が私でも俺でも、敬語でも口が悪くてもあんまり気にしない。
気にならんってか、どんなAくんでもAくんやしって、本人に言ったら「さすがホストですね」って。
『うわ、傷ついたわー』
「えぇ?」
『罰として湊って呼んでや』
「罰w」
『まっ、俺にとっては最高のご褒美なんやけど!どう?試しに1回!』
ねっ?ってウインクして見せれば、カクテルグラスを磨いていた手を止めてふふっと笑った。
それから、磨き終えたグラスの隣に持っていたグラスを並べ、再び俺の方へと向き直る。
バチッと目が合ったと思ったら、
「みなと」
少しだけ低くて、甘い声。
呼ばれたのは確かに俺の名前なのに、なんだか、違った音に聞こえた気がする。
「湊?湊くん?」
『うっわ、どっちも捨てがたい!……けど湊で!』
「なんで?」
『そっちのがダチっぽい!』
そう言った俺に、Aくんはケラケラと楽しそうに笑う。
まだ聞いたことない声だったり、笑い方だったり、仕草だったり、いろいろあるんやろか…とかちょっと思ってみたり。
そんなまだ知らぬ水雲Aにもっともっと近づきたい。
『こっから俺とAくんの親友編スタートです』
「今日から?」
『そっ、今日から!っと、そろそろ時間だから行くわ!』
「はい」
サッと会計を済ませ席を立ち、店を出ようとしたその時。
「湊」
『ん?』
「私へのエスコートも、楽しみにしてますよ」
ドア口まで見送りに来てくれたAくんが、俺の耳元で呟いたまるで魔法のような言葉。
くすぐったいような、胸が躍るような、ちょっと…柄にもなくときめいた。
『任せて!』
「はい」
『じゃあ俺行くわ!Aくんも残業させちゃってごめんなー!』
遠ざかっていくAくんに歩きながら手をブンブン触れば、控えめに振り替えしてくれて、それでもまた胸がジンとなる。
ネオンきらめく街を歩きながら、さっきまでの出来事を脳内でリピート。
今日は、いつもより頑張れそうな気がした。
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なな(プロフ) - えある。さん» わたしも男主好きなので仲間ですね!褒めて頂けて嬉しいです!これからも応援していただけるようマイペースにですが頑張って書いていきます💪✨(あと何秒前に終了のものは連動とかではなく1話目2話目みたいな感じで使ってましたw) (2023年4月4日 17時) (レス) id: ec5992d1d9 (このIDを非表示/違反報告)
えある。 - 何秒前に終了みたいなのって、、、何話とかと連動してます? (2023年4月2日 23時) (レス) @page9 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
えある。 - 男主のやつもっと増えてほしいです〜 主にぼくに需要が、、、ななさん神。男主+文才の神。 応援してます〜 (2023年4月2日 23時) (レス) @page3 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - プラスチックさん» さりげないかんじで弄ばれるように書いているのでそう言って頂けて嬉しいです💕 (2022年11月26日 12時) (レス) id: 3e077f16ff (このIDを非表示/違反報告)
プラスチック(プロフ) - 夢主に弄ばれるライバー様方が可愛いです♡ (2022年11月14日 22時) (レス) id: 897ac6c9fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作者ホームページ:https://twitter.com/HakutoNa7
作成日時:2022年10月27日 16時