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最近の春は、春というよりも夏に近いな...とふと車の中から何とも言えない空を見て思う。
そういえば、もう花粉症の症状も治りつつある。
また夏がやってくるのかとすこし憂鬱になっていた。
JS「ジュンさんと話せたの？」
『ん？あぁ、うん。この前失礼な態度取ったって謝られたよ、秘書の方にも。』
JS「そっか。」
ジスオッパの運転は上手だ。
たまに眠くなることもあるくらい。
器用にバックミラーとサイドミラーを交互に見ながらゆっくり安全に運転してくれる。
『ねぇ、オッパさっきなんでジュンさんの前で名前呼んだの？』
JS「...僕が？名前で呼んでた？」
タイミング良く信号で止まり、バックミラー越しに目が合う
『うん、いつも社長って呼ぶじゃん。』
JS「全然気付いてなかった、ごめんね」
『いや、私は全然良いんだけどね』
ﾌﾞｰﾌﾞｰ
スマートフォンのバイブ音が鳴り自分のを確認すると、
電話がかかってたのは私ではなくオッパだった。
車とスマートフォンがBluetoothで繋がれているのか、ナビ画面に名前が出る。
『出ていいよ、私黙ってるから。』
JS「...いや、後でかけ直すからいいよ。」
そう言ったオッパは無造作にナビ画面で電話を切った
ナビ画面に表示された名前は、私の知らない女の人の名前だ。
『ジスオッパ、彼女いたんだね、知らなかった。言ってよ〜』
そう軽く言ったつもりが、バックミラー越しに見えたジスオッパの表情が曇った。
JS「僕彼女なんていないよ、」
『...でも、その電話、』
JS「関係無いから。気にしないで。」
『...そう？ならいいけど、』
結局、会社に戻るまでの車内ではそれから一言も話さなかった。
最近ジスオッパと居るとこういう雰囲気になる。
気の触ることを言ってしまったのだろうか。
ジスオッパが何を思ってるのか、何を考えているのよく分からない。
よく悩まされている気がする。
なんだか、悔しくて
バックミラー越しに見つめていたジスオッパを軽く睨み窓から空を見上げた。
ザーッと雨が降りそうな暗い雲を見て、また気分が落ちた。
人間の空と心は繋がっているようにも感じた。
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作者名：ナン
| 作成日時：2023年6月6日 9時
