unknown_ .6. (ページ6)

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MG「ヤー！右！車！！」

　

　

MG「真っ直ぐ行くの？これ左車線走らないといけないんじゃなくて...?」

　

　

MG「ナビは俺が見るから！前！！前向けって！！」

　

　

まぁ、まぁ。
こうなることも把握済み。

　

　
『この辺まで来たら大丈夫〜』

MG「はぁ...、もう運転NGね。Aちゃん。」

『...大丈夫なのに』

　

　

　
兵庫県に入り、比較的車が少ないところまで来た。

散々でした。隣の人が口煩くて。

　

　

『ほら！見て！綺麗でしょ！？』

MG「Aは前向きなさい。...わぁ、凄いね本当」

　

　

辺りは、山や田んぼ。

こんな所だときっと全員の顔と名前を知ってるんじゃないかと思うほどの小さい可愛い学校があったり、

ご夫婦で農園をしていたり。

自然豊かな場所で、違う国に来たみたいだった。

　

　
MG「ねぇ、あれ何？」

『うんー？えっとあれは、牧場』

MG「あー、牧場かー。あれは？」

『あれはね、郵便局』

MG「あー！日本も赤いんだ！」

『そうだねぇ』

　

　
小さい子どもが初めて見たものを"なんで？なんで？"と聞くみたいで、可愛らしかった。

　

今思えば、こうしてゆっくり2人で旅行をするのは初めてだ。

長い間、ずっと付き合っていたけど
初めての旅行にドキドキした。

初々しいカップルみたいに、普通の恋人のようにドキドキした。

　

　

　

　

MG「じゃあ、あれは？何？青いの」

『あれはほら、洋服の青山だよ』

MG「ようふくのあおやま。何の店」

『スーツのお店』

MG「ふーん、...帰り寄る？」

『寄らなくていいよ』

MG「Aの実家行くのに？」

『...スーツじゃなくていいよそんなの..』

　

　

私たちはきっと芸人でもやっていけそうだなと思うくらい息がピッタリの時がある。

それが、私にとっては凄く心地いいものだった。

　

　

　

MG「えぇ!?この山道走るの!?ねぇ！大丈夫なの！？変わろっか！？」

　
やっぱりうるさいけど。