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海の中にいる夢を見た
透明で綺麗な青で、心地良かった。
たまに、声が聴こえる。
ハスキーの聞き慣れた声。
でも、どこか悲しそうな声だった。
慰めてあげなきゃ。
大丈夫だと言ってあげなきゃいけないのに、
肝心の彼が見つからない。
探しても探しても、見つからない
出口も見当たらない。
早く、行かなきゃ。
..
『っ...、』
「Aさん、聞こえますか？ここがどこだか分かりますか？」
声が出づらくて、頷いた。
私に話しかけた人、部屋、私の周りのものを見ると
病院にいたことがすぐ分かった。
そうだ、階段から落ちたんだっけ。
落とされた、が正しいのか。
あぁ、ミンギュはきっと自分を責めただろうな。
早く抱きしめてあげたい。
目を覚ましてから主治医の先生に診てもらい、
再検査というものもいくつかした。
病院の人を見ると、随分眠っていたのが分かる
季節はもう肌寒くなったのか、と他人事のように考えていた。
さっきまで私の感覚では夏だったのに、
次に目を覚ますと冬に変わっていてワープしたみたいと
少しおもしろかった。
『あ、あのっ、』
「はい？どこか痛みますか？」
『あ、それは全然。ここに運ばれた時、連絡って誰に...?』
「あぁ、表記が日本語で誰も分からなくて...1番最近連絡を取っていた方にしたんです！」
『そうでしたか...』
となると...
あー。ミョンホだ。そうだ。
悪い事したなぁ...
忙しい彼らの負担になっただろうし、
申し訳なくなった。
私が目を覚ましたことは、彼らには連絡が入ってるだろうし、まさか、全員で来たりしないよね、
MG「っ、Aや...ッ!!」
大きい音でドアを開け、大きい声で私を呼び
大きい身体に似合わないくらい、とんでもなく
心配そうな目で私を見る彼が私に向かって走ってきた。
『ちょっ、ちょ...!!』
大きい身体でこっちに向かって走られるのは
何年経っても慣れない。
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作者名：ナン
| 作成日時：2023年12月24日 11時
