unknown_ .2. (ページ9)

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『おはよう〜』

「あれ、Aさん今日休みじゃなかったですっけ？」

『家に居ても退屈でさ〜、仕事好きだし？』

「仕事人間じゃないですか〜、だめですよ！！でも、ちょうどいいところに。エリアマネージャーがいらっしゃってるんです！」

『あれ、今日来る日じゃなかったよね？』

「Aさんに話があるとか、なんとか...事務所にいらっしゃいますよ！」

　

　

　

職場に来ると、こうもスイッチが入るものか。

もしかしたら、もう笑うことも上手くできないんじゃないかと思っていたけど、

むしろ今はやる気しかない。

　
後輩の顔を見ると、いつも通りに戻れた気もする。

　

　

「おはようございます！Aさん、ちょうどいいところに。話があるんですよ！」

『おはようございます。話って、エリアマネージャーから言われると怖いですねぇ？』

「良い話ですよ！」

『なになに〜、なんですか？？』

「うちの店、日本にも出店が決まったんです！そこで、しばらくAさんには日本のお店の方で勤務していただこうと思っていて！」

　

　
まさか、そんな話だとは思っていなかった。

うちの店も大きくなったもんだ。

　
この話、断る理由なんてひとつもない。

彼と過ごしたこの街を離れてみるのもいいかもしれない。

　
『その話、ぜひ。私でよければ行きたいです。』

　
こうして、韓国を去る理由ができた。

日本に帰って、しばらくゆっくりしよう。

　
日本語を教える約束、守れなかったな。
日本を案内する約束も。

これで、日本を嫌いにはなってほしくもない。

彼にはただ何も考えないで、幸せでいて欲しい。

　