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さすがの関係者席。
人が1人もいなくて、知らないところにポツンと置いていかれた気分だ。
トイレを済ませ、席に戻ろうと歩いていると電話がかかってきた。
名前を見ると、忙しいのに何してるの！と大きい声で言いたくなる人だった。
『もう始まりますよね？ちゃんと席ついてますよ、私！』
WZ「だから早く終わらせるからよく聞けよ」
気持ちコソコソと話すオッパは多分、誰にも見つからないように私に電話してきたのだろう。
キョロキョロしながら私に電話してると思うと、可愛らしい。
私は別に気にしなくてもいいはずなのに、
オッパにつられて小声で話した。
『なに..?』
WZ「ユニット曲終わった後、俺が紹介する曲、今日は13人全員がお前だけを想って歌うから。お前に向けて歌うから、ちゃんと、聞いとけよ。じゃあな」
『ちょっ、』
私に話す隙を与えることもなくブチッと電話を切られた。
忙しいくせに、なんでこうもしてくれるんだろう。
まだ始まってもないのに、鼻がツンとする
目頭が熱くなる。
ひとりじゃなかった。決して。
席に戻ると、熱気が凄い。
キラキラと輝き、彼らを好きな人たちがいるこの空間は
美しかった。
私たちのように親子で来る人もいれば、友達同士で来る人もいて、小さい子どもまで。
大きなモニターにはMVが流れていた
久しぶりにライブに来たものだから、ワクワクする。
私はこの会場でどんなことを思うんだろう。
どんな感情で彼らを見るんだろう。
どんな目で、ミンギュを見るんだろう。
モニターに映し出されるミンギュを見て、
一生懸命準備した日本語のコメントを聞いて、
笑っていられるのだろうか。
暗転した会場に輝くペンライト
その輝きを見て、深呼吸をし、目を閉じた。
今日も事故や怪我がなく無事に終われますように。
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作者名：ナン
| 作成日時：2023年11月25日 15時
