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...
『こんなに透明なんだ...、上から見るよりも綺麗だね』
JN「パワースポットって言われるだけあるよね〜」
湖岬まで降り、近くで湖を見ると
上から見るのとはまた雰囲気が違ってもう一度景色を楽しめるそんな場所だった
JN「こうやって近くで見るとよく分からないけど、ここの湖って...、ほら！半月形になってるんだってー！」
そう言って、スマートフォンの画面を見せてくれた
きっとデートしようと誘ってくれた日からたくさん調べてくれてたんだろうな。
ふたりで画面を覗き込むと、マップのアプリで私たちの今いる場所を指していた
彼の言う通り、本当に綺麗な半月形で、今ここに居ると思うと不思議だった
『うっわぁ！凄いね、本当だ！上から見てみたいなぁ」
JN「うーん...」
『...うん？』
JN「いや、その願いは叶えられないかなぁって、」
『んん!?ちょ、冗談...、て言うか見てみたいけど、そんな見せて！なんて言わないよ！！』
JN「いやぁ、出来るなら全部叶えてあげたいじゃーん。」
そう子どものように口を尖らせて、スマートフォンをポケットにしまう彼を見て思わず、笑ってしまった。
『こんなに素敵な所に連れて来てくれてありがとう。』
JN「何言ってんの〜、僕が誘ったんだもん。楽しかった？」
『もちろん。凄く。またひとつ思い出が増えたね』
湖の奥に見える大きな山をぼーっと眺めていた
JN「今から何も言わないで、僕の話、聞いてくれる？」
『...うん。』
そのタイミングが、今ちょうどやってきたのだろう。
JN「前に、ほら。Aちゃんが風邪引いて僕たちが家に行ったとき言ったでしょ？覚えてる？」
" Aちゃんの1番に僕もなろうと思ったんだよ "
覚えてる、というよりも、忘れられない言葉だった。
『うん、覚えてるよ」
JN「あの言葉を言う前も、言った後も、あーAちゃんはきっと僕じゃない誰かを見ているんだろうなって分かってた」
なんだろう。
私よりも何倍も胸を痛めていたのはきっと、彼なのに
しっかり言葉にして彼の口から聞くと、私の胸も痛んだ。
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作者名：ナン
| 作成日時：2023年9月5日 18時
