スキのチカラ (ページ8)

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教室が少し騒がしくなり始めて私は目を覚ました。

10分ぐらいしか寝てなかったのか…。
それにしても妙にリアルな夢だったな。

まぁ、いっか。
今日も１日頑張ろっと。

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時間が経つのは早くて、もう放課後。

「あ、地味子、今日も掃除お願い！」

「俺もパス！」

「私も！」

掃除は私の仕事。
だれも掃除なんてしてくれない。
これも、もう慣れた。

この時間になると、1人の教室がすごく寂しく感じる。別に1人が嫌いなわけじゃない。むしろ私は1人を選んだ。

嫌な思いを消すように私は音楽をかける。
最近のお気に入りは洋楽だ。
少し英語に興味を持ち始めたのがきっかけでよく聞くようになった。

掃き掃除も終わり、机を元の位置に戻す。

「･････あ、草川くんの」

全然気づかなかった。
草川くんのカバンがまだ机にぶら下がっていた。
少し埃をかぶったみたい。
さすがにそのままにしておくのもダメなのでカバンを綺麗にする。

「俺のカバンになにしてんの？」

ドアの方向から聞こえるその声に体がビクッと反応する。
恐る恐る声の方を見てみると、冷たい目線をこちらにむけた草川くんがドアに寄りかかって立っていた。