スキのチカラ (ページ2)

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「地味子、これ出しといて」

「地味子、今日掃除変わってくれな～い？」

「地味子、ゴミ拾っといて」

いつからか私はそう呼ばれるようになった。
ぼさっとした髪の毛。地味な色のメガネ。長いスカート。

そう呼ばれる理由なんて探せばいくらでもある。私自身そう呼ばれることにもうなれたし、もちろん友達なんているはずもない。
それに、私のことなんて誰も見てはいない。

それでも今日も学校へ行く。
やっぱりいつも通りの通学路。
見慣れた街を歩く。

桜の花びらが満開だ。
高校に入って２回目の春。
今年も、これからも、今まで通りの生活が続くのだろう。

商店街を越えて坂を抜けた先、私の通う高校がある。

今日は新学期なだけあって、みんなざわざわしている。
さぁ、私もクラス確認しないと。
·····C組。
正直何組でも関係ないや。

どこのクラスでも私は、

地味子なんだから。

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