参考書13冊目 ページ15
ポツリと零れたAの呟きは誰に拾われるでもなく 将また残るでもなく、虚しく消えていった
ｷｨ...
2人の沈黙を裂いたのは、ドアが開く生活音
2人の中で、これに値する人物は1人しか居なかった
『遅いわよ』
ｾﾝ｢ほんま、ちょーっと感心できへんなぁ？｣
2人はそう言いながら、扉の方を向いた
が、その刹那、2人の顔色は驚きの一色に染まったのだ
ｳﾗ｢わりぃわりぃ、ちょっと外で話してた｣
｢お、お邪魔します…｣
ｽﾝｽﾝと鼻を啜りながら目を真っ赤に腫らすのは
先程まで話に出ていた崙崎日向(ﾛﾝｻﾞｷ ﾋﾅﾀ)だった
ｾﾝ｢ろんさん？！どしたん？！｣
ｳﾗ｢おいセンラ｣
『崙崎さん、大丈夫ですか？こいつシバきますか？』
ｳﾗ｢おいA｣
"俺の扱い可笑しいだろ"とボヤきながら、崙崎 基 ろんさんの
手を引き、リビングにある少し大きめのソファに座らせる
本人は驚いた様子を見せながらも、素直にうらたに従った
ｳﾗ｢俺手ぇ洗ってくるわ。飲み物だしてやってくれ、A｣
『えぇ、それはいいけど...』
ｳﾗ｢…ちゃんと説明するから｣
『ん...そう、ね』
なんとも言えない気持ちを胸に、再びキッチンに足を運ぶ
お湯を沸かしながら、キッチンから声を張った
『崙崎さん！何飲むのかしら？』
ﾛﾝ｢あ、あ！何でも！大丈夫！｣
声が少し掠れて聞こえたのは、きっと泣いたからだろう
疲れた喉にはレモンティーかな、等と考え丁寧に淹れる
ｳﾗ｢ふぅー…で？少しは落ち着いた？｣
ﾛﾝ｢うん。色々ありがとうね、うらたん！｣
ｳﾗ｢ん｣
無愛想に返事を返しながらも、その目は確かに暖かかった
その目を傍から見ながらAはｷｭｯと唇を噛んだ…
『お待たせ、レモンティーよ。熱いから気をつけてね』
ﾛﾝ｢うん！ありがと！｣
手渡されたカップを両手で包持ち、ﾌｰﾌｰと可愛らしく覚ます様子は
まるで小動物のようだ
ｾﾝ｢…ろんさん、何があったか聞いてもええ？｣
ﾛﾝ｢ん...んっ...はぅ……えっとね...｣
嬉しそうに紅茶を喉に流す彼女
カップから口を離すと、少し顔を歪ませて語り始めた
ﾛﾝ｢センラくんさ、ろんさんの同室人が誰か知ってたっけ｣
ｾﾝ｢そらるさん、まふまふさん、96猫さん、luzくんやっけ？｣
ﾛﾝ｢うん、皆人気者でしょ？その中にろんさんがいるのが気に入らない人が居るみたいでね、さっき呼び出されて、頬をちょっと...｣
そう言いながら自身の左頬に手を添え弱々しく笑う様は
とてもじゃないが痛々しいものだった…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 383人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めい*cerw* - 更新待ってますね！ (2019年3月30日 2時) (
レス) id: 6f4d80c867 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - 更新停止してますよ！このお話好きなので良かったら更新して下さい！ (2018年9月1日 22時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
rin.rain.(プロフ) - 面白いですね！これからも頑張ってください！そらるさんもっと出してry (2018年3月20日 21時) (レス) id: 15ed3460f9 (このIDを非表示/違反報告)
れもんねこ(プロフ) - わーい！ろんさんありがとうございます！まだ出てきてくれるのでしょうか（ドキドキ 更新頑張ってください〜！ (2018年3月4日 18時) (レス) id: 032d1e69c8 (このIDを非表示/違反報告)
Dr.K(プロフ) - れもんねこさん» ろんさん了解です！コメント、リクエストありがとございます！！ (2018年3月1日 20時) (レス) id: a5d990b401 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
