参考書43冊目 ページ46
【No side】
坂田の目の前には
いつもとは別人の様に見えるAが居た
いつもは強気で、冷静なのに
今は弱々しく、儚く、触れてしまえば崩れそうな程だ
『ふふっ、これくらいかしら。どう？luzさんから連絡はきた？』
ｻｶ｢え、あぁ…まだ来てないみたいや｣
傍に置いていた携帯に一瞬目を向け、直ぐにAに戻す
ﾊﾞﾁｯと目が合うと、苦し紛れな笑顔を向けられ
坂田の胸はｷﾞｭｳｯと締め付けられた
ｻｶ(なんで、こんな時も笑うん…
苦しいんやったら、泣けばええやん…
そんな苦しそうな顔、見たくないのに…)
『？！え、ちょ…悠？！』
ｻｶ｢え、何？｣
『何？って、こっちのセリフよ。なんで、泣いてるの』
Aにそう言われると、坂田は驚いた様子で
ぺたぺたと頬を触った
指先に暖かい雫が伝ったのが分かり、
そこで漸く"あぁ、泣いてたんか"と実感する
しかし、それを実感した途端
涙は次々と瞳から零れ落ちてきて、頬を、手を濡らした
ｻｶ｢なんっ、やろ…すごいしんどかったんやなって…
1人でずっと戦って、苦しんできたんやなって
なのに、ごめんな？安心して泣かせてもあげられんで
ホンマにごめん。やな事思いださせて、ごめんっ｣
ぐしぐしと、伝う涙を乱暴に拭いながら苦しそうに
言葉を繋いでいく坂田
その言葉はじんわりとAの目頭を熱くさせ
1粒の雫を生み出した
『悠が謝る事じゃないわ。私の人生だもの
謝ったって、もう何も変えられない…
泣けないのも、嫌な思い出を思い出したのも、
貴方は何一つ悪くないわ。だから、泣かないで？』
Aはｽｯと手を伸ばし、赤髪に指を絡ませた
ゆっくりと撫でると、更に涙を流す坂田
ｻｶ｢なんで、Aはそーやって簡単に触って、撫でて、
安心させられるん…｣
『⋯さぁ、何ででしょうね…
泣いてる顔より、笑った顔が見たいからかしら…？』
ｻｶ｢ばかやん…そんなん、俺やって同じやし｣
『なら、貴方にも出来るわ』
撫でていた手を退けると、坂田と目を合わせ
柔らかく微笑んでみせた
坂田はというと、Aに言葉に躊躇いを見せながら
遠慮気味にAの頭に手を伸ばした
『⋯ふふっ、ね？出来たでしょ？』
ｻｶ｢⋯ん…｣
慣れていない様子で、不器用にAの頭を
行き来する手
思えば、彼はいつも触れる事を拒んでいた
同じ部屋にいたのに、知った気になってただけだった
(⋯気付けなくてごめんなさい…)
口に出さないその気持ちは
また1つ、Aの心に傷をつけた
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めい*cerw* - 更新待ってますね！ (2019年3月30日 2時) (
レス) id: 6f4d80c867 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - 更新停止してますよ！このお話好きなので良かったら更新して下さい！ (2018年9月1日 22時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
rin.rain.(プロフ) - 面白いですね！これからも頑張ってください！そらるさんもっと出してry (2018年3月20日 21時) (レス) id: 15ed3460f9 (このIDを非表示/違反報告)
れもんねこ(プロフ) - わーい！ろんさんありがとうございます！まだ出てきてくれるのでしょうか（ドキドキ 更新頑張ってください〜！ (2018年3月4日 18時) (レス) id: 032d1e69c8 (このIDを非表示/違反報告)
Dr.K(プロフ) - れもんねこさん» ろんさん了解です！コメント、リクエストありがとございます！！ (2018年3月1日 20時) (レス) id: a5d990b401 (このIDを非表示/違反報告)
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