参考書36冊目 ページ39
ｶﾁｬｶﾁｬ… ﾋﾟﾁｬ…
陶器がぶつかる音と
水の音だけが2人の鼓膜を揺らす
『セン、今日何がいいかしら』
ｾﾝ｢⋯え、あぁ…なんやろ…生姜焼きとか？｣
『無難ね。そうしましょう、手伝ってもらえる？』
ｾﾝ｢ええよ〜｣
ソファから体を起こしたセンはいつもの様に笑っている
様に見えながらも、何処か疲れている様に見えた
『セン、聞いていいかしら？』
ｾﾝ｢んん？⋯あー、嫌やって言うても聞くやんw｣
『えぇ、まぁ……あの子とはどういう関係なの？』
ｾﾝ｢んー……名前知っとるだけやなぁ…
前のさ、ろんさんの事あったで…あの子の名前出たら
どうもなんか⋯あかんのんよねぇ…｣
玉ねぎの皮を剥きながら苦しそうな、乾いた声を上げた
センの話を聞きながら、Aは脳内の記憶を漁った
(⋯間違ってなかったら、あの子は侖崎さんを
叩いた張本人…ここまでして彼女を陥れたい理由は？)
傍に屈んでいるセンにﾁﾗｯと目をやる
才色兼備、優しい性格、綺麗な声…
モテない要素は無いに等しいが、嫉妬心1つでここまで⋯？
そう考えてみるが、心というものがわからないAは
どう思考を捻ってみても答えは出なかった
ｾﾝ｢⋯なんかなぁ…うらさんの言うことは分かるんよ
でも、やっぱどっかでそんな夢物語あるんやないかって
誰も苦しまんでええ方法があるんやないかなって…｣
手を動かしながら、Aは思い返した
"お前のいい所は優しいところだ
でもな、それがいつも正しいわけじゃねぇ
誰も傷付かないendingなんて限られてんだ"
誰かが傷つく世界
その中で、誰も苦しまない方法…
『⋯無いことはない。でも、それは絶対に不可能だから…』
ｾﾝ｢⋯どう頑張っても、無理なんかな…｣
ﾊｯとセンの方を見ると、ポロポロと涙が溢れていた
手に持っていた道具を置いて、センの傍に屈む
ｾﾝ｢でも、いややん…センラだけで済むなら、
センラが傷付くだけでええならそれでええもん｣
『うん…』
ｾﾝ｢優しくしとるんやないもん…
正しくないんも知っとる、でも断れんやん…
嫌われたくないんやもん！しゃーないやん！｣
『うん…』
"もーやや…わからん…"
膝に顔を埋めて、そんな弱音を吐くセン
頭を撫でようと手を伸ばすも、触れられない
触れていいのか、そんな簡単な慰めでいいのか…
『⋯大丈夫よ』
ｾﾝ｢ん、大丈夫｣
『違う。今は、何も聞かないから大丈夫
好きなだけ泣いていいのよ…』
それを聞くと、堰を切ったようにボロボロと泣き崩れた
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めい*cerw* - 更新待ってますね！ (2019年3月30日 2時) (
レス) id: 6f4d80c867 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - 更新停止してますよ！このお話好きなので良かったら更新して下さい！ (2018年9月1日 22時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
rin.rain.(プロフ) - 面白いですね！これからも頑張ってください！そらるさんもっと出してry (2018年3月20日 21時) (レス) id: 15ed3460f9 (このIDを非表示/違反報告)
れもんねこ(プロフ) - わーい！ろんさんありがとうございます！まだ出てきてくれるのでしょうか（ドキドキ 更新頑張ってください〜！ (2018年3月4日 18時) (レス) id: 032d1e69c8 (このIDを非表示/違反報告)
Dr.K(プロフ) - れもんねこさん» ろんさん了解です！コメント、リクエストありがとございます！！ (2018年3月1日 20時) (レス) id: a5d990b401 (このIDを非表示/違反報告)
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